イタリアGPでロスベルグは重要な1勝を上げた。
ベルギーGPでパワーユニットの追加ペナルティを消化してPUの心配がなくなったハミルトンは、予選Q3でロスベルグに0.5秒の差をつける完ぺきな走りを見せてチャンピオンシップを争うロスベルグの心を打ち砕いたはずだった。
ところが、ハミルトンは、スタートで大きく出遅れ、ロスベルグ、フェッテル、ライコネン、リチャルドの4人に先行を許すことになってしまった。
シーズン後半になってからは、スタートをうまく決めていたハミルトンに何があったのだろう。
他のスポーツでもそうだが、チャンピオンといえども完ぺきに精神状態をコントロールすることは難しいのだろうか。
ハミルトンは、その後、F1コースの中では最もパワーアドバンテージがあるといわれるモンツァで、メルセデス・パワーを使って果敢に追い上げたが、ロスベルグをとらえることはできず、15秒差の2位に終わった。
これで、ハミルトンとロスベルグのチャンピオンシップポイント差は2となった。
これからは、毎レースこの二人のガチンコが続く。どちらかのリタイアがない限り最終戦までもつれ込むだろう。
フェッテルは、スタート直後に、巧みに2番手につけたがパワーで勝るメルセデスのハミルトンを抑えきることができず、3位でゴールした。
ライコネンも4位で続いた。
フェラーリは最近レッドブルに後塵を拝し続けていたが、地元モンツァで表彰台に返り咲くことができた。
レッドブル勢は、さすがにパワー不足のため苦しかったが、それでも、リチャルド5位、フェルスタッペン7位と健闘した。
ウイリアムズはここではボッタスが6位、マッサが9位に入り、ペレス8位、ヒュルケンベルグ10位のフォースインディアを久々に上回った。
マクラーレン・ホンダは、明らかにパワーが足りず、バトン12位、アロンソ14位に終わった。
アロンソは、終盤、13番手を走行していたが、ゴールまであと2周というところでスーパーソフトに履き替え、レースのファーステスト・ラップを記録した。
13位でも14位でも変わりはないから、最速ラップを記録したほうがチームの士気も上がるだろう。
イタリアGPの前にマッサがF1からの引退を表明した。
全盛期のマッサは同じフェラーリに乗るシューマッハを脅かすほどの速さがあり、2008年は1ポイント差でチャンピオンになれなかった。
フェラーリ時代にイタリアのファンに愛されたことから、イタリアGPを引退表明の場に選んだのだろう。
バトンも、マクラーレン・チームに残留するものの1年間休養することを発表した。これでバンドーン、ウエレーンといった才能ある若手ドライバーが有力チームで走る道が開かれる。
次は、市街地のナイト・レース、シンガポールGPだ。
熱いシンガポールの昼を避けるためとヨーロッパの放送時間帯に合わせるためにナイト・レースとなったが、今年で9年目、すっかり定着した。
マリーナベイのコースは市街地なのでエスケープゾーンがなく、路面も市街地舗装なのでグリップが低い。PUのパワー・ハンディを背負っているチームにとっては、後半戦で、最も期待の持てるコースだ。
誰かが、ガードレールに張り付いて赤旗が出れば、2008年のアロンソのように予想外のドライバーが優勝することもある。
シンガポールGPは、1位フェッテル、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位リチャルド、5位バトン、6位ロスベルグ、7位サインツ、8位ウエレーン、9位ペレス、10位ボッタスかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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