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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2016(7)2016 / 06 / 10

ハミルトンがモナコGPで今季初優勝を果たした。
昨年のモナコでは勝っていたレースをチームの指示ミスでふいにしたハミルトンだが、今年は運が巡ってきた。
ハミルトンは、昨年の教訓から、トラック上の順位重視の作戦をとり、上位ドライバーの中ではただ一人ワンストップでウエットとウルトラソフトだけを使って走り切った結果の勝利だ。
今年、勝っていたレースをピットのもたつきで失ったのは2位のリチャルドだった。
3位表彰台には、モナコのコースが好きなペレスが登った。
(モナコの表彰台は他のコースと違ってメイン・ストレートから一段上がっているだけなので登るという感じではないが・・・) 
ペレスは、これまでモナコでは攻めすぎてクラッシュすることが多かったが、今年はクレバーに攻めた結果の3位フィニッシュだった。
モナコの表彰台で歓喜するハミルトン・ペレスと、2位に入ったのに悔しい表情のリチャルドが対照的だった。

フェッテルは、なぜかモナコ向けのセッティングが決まらなかったフェラーリをなんとか4位に持ち込んだ。
5位にはアロンソが入った。
アロンソは、過去に、ポールをとれる状況の時には予選で限界まで攻めてガードレールに接触することもあった。
しかし、今回はゴールまでしぶとく走る作戦で、他のドライバーが消えていく中、浮上した。
9位に入ったバトンも同様のレース運びながら、雨が弱まりだしたとみてとるや、早々とインターミディエイトにタイヤ交換するなどして上位進出を狙っていた。
チャンピオンを絶ったことのあるドライバーたちは、このあたりが違う。
今回のモナコのライコネンはそうでもなかったが。6位には、予想に反して調子のよかったフォースインディアに乗るヒュルケンベルグが入った。
他には、7位ロスベルグ、8位サインツ、10位マッサがポイント圏でフィニッシュした。

今年のモナコは、予選がとても面白かった。
スペインからすでに兆候は見えていたが、レッドブルのマシンが本当に速くなった。
予選はドライコンディションだったので、レッドブルのリチャルドは、実力でメルセデスより速い予選タイムを出してポールポジションをとった。
しかも、Q2はスーパーソフトを履いてタイムを出していたので、決勝のスタートでは、Q3で使ったウルトラソフトではなくスーパーソフトでスタートできる。
決勝では、スタートでトップに立ってしまえば抜かれることはないから、遅いスーパーソフトでトップはキープして、後半に新品のウルトラソフトを使って後続を引き離すことができる。
素晴らしい戦略と、その戦略を可能にするリチャルドの予選ドライビングだった。
ところが、決勝日は雨で全車ウエットタイヤ・スタートととなり、せっかくの戦略がふいになった。
それでも、リチャルドはポールスタートだったので、レースをコントロールしていたし、ピットがタイヤ交換をスムーズにやっていればハミルトンに前に立たれることもなかった。

次は大西洋を渡ってカナダGPだ。
夏の短いカナダでは、6月は春のような気候だ。
コースは長いストレートとタイトコーナーをつないだレイアウトなのでブレーキとタイヤに厳しい。
今のF1の場合ブレーキだけではなく減速時のエネルギー回生効率とエネルギー・マネジメントも重要だろう。
モナコから始まったハミルトンの巻き返しがシーズンを面白くする。
ウイリアムズもこの手のコースは得意なはずだ。

カナダGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位マッサ、4位リチャルド、5位フェッテル、6位ライコネン、7位バトン、8位アロンソ、9位ペレス、10位クビヤトかな。 

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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