ロスベルグは、ロシアGP開幕4連勝を果たした。
2位には開幕戦以来、不運のトラブルが続いているハミルトンが入った。
ハミルトンは予選Q2中のマシントラブルのためQ3が走れず、10番手スタートからよく追い上げたがロスベルグに追いつくのは無理だった。
ロスベルグの4連勝は同じマシンに乗るハミルトンと直接勝負して得た4連勝ではない。
それでも100ポイントは100ポイントだ。
去年までのシーズンでは、ロスベルグのほうがマイナートラブルに泣かされたこと多かったのではないだろうか。
3位にはフェラーリのライコネンが着けた。
フェッテルは、スタート直後にクビヤトに2度も追突されてリタイアしてしまった。
4位と5位には今回好調だったウイリアムズのボッタスとマッサが入った。
アロンソは、彼らしい巧みなレース運びで6位につけた。
序盤でタイミングよく前に出ることができたマグネッセンは、後続をなんとか抑えきって7位に入賞した。
ルノーの現状からすれば望外の結果だった。
8位にはハースのグロージャン、9位にはロシアGPを得意とするペレスが入った。マ
グネッセンに頭を押さえられていた集団の前に出られなかったバトンが最後の1ポイントを獲得した。
ホームGPでいいところを見せようと張り切りすぎたクビヤトは、レース中のペナルティで15位に沈んだだけでなく、レース後に非難の的になり、レッドブルチームも何らかの対策を講じる必要に迫られた。
F1にレッドブルとトロロッソ(イタリア語でレッドブルの意)の2チームを有するレッドブルは次のスペインGPからクビヤトをジュニア・チームのトロロッソに移し、フェルスタッペンをジュニア・チームのトロロッソからレッドブルに昇格させると発表した。
レッドブルのマネジメントは巧みだ。今シーズン、勝てるパワーユニットを獲得できなかったレッドブルは、今年は来シーズンに向けた準備シーズンのつもりだろうと思われていた。
しかし、現時点でベストと思われるシャシーを開発し、非力なPUでもサーキットによっては表彰台を狙えるところまで持ってきた。
そして、最近のクビヤト批判に呼応するふりをして、来シーズンから昇格することが確実視されていたフェルスタッペンを早々とレッドブルに引き上げ、ドライバー面でもチームのパフォーマンスアップを狙ったのだ。
しかも、フェルスタッペンとサインツがチーム内で対立して最悪の状態だったトロロッソ・チームの内部問題も解決してしまった。
マクラーレン・ホンダは今回6位と10位に入賞することができた。
ホンダPUはようやく信頼性と中団で戦えるだけの実力を身につけてきたように見える。
次はQ3の常連にならない限り、上位チームの一角が予定外に崩れるようなレースでも表彰台は見えてこない。
F1は今週末のスペインGPからヨーロッパ・ラウンドに入る。
スペインGPの開催されるカタルーニャサーキットはF1のシーズン前テストも行われるコースなのでチームもドライバーもコースを知り尽くしている。
シーズン前テストでも圧倒的なテスト内容だったメルセデスが優位なのは間違いないだろう。
今回こそ、ハミルトンとロスベルグのガチンコ勝負が見たいものだ。
スペインGPは、アロンソとサインツにとってホーム・グランプリだ。
アロンソの復活を待ち焦がれるスペインの観衆の前で、アロンソは力の限りの走りを見せてくれるだろう。
1位ハミルトン、2位フェッテル、3位ライコネン、4位アロンソ、5位フェルスタッペン、6位リチャルド、7位バトン、8位サインツ、9位マッサ、10位ハイドフェルドかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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