バーレーンGPは、今シーズン、メルセデス一辺倒でなくなることを予感させてくれた。
ロスベルグが優勝して開幕2連勝、ポールをとったハミルトンは決勝では3位だった。
フェッテルはフォーメーションラップ中にマシントラブルで姿を消し、1台となったフェラーリのライコネンが2位に入った。
ロスベルグから1分以上離れてリチャルドが4位、グロージャンとフェルスタッペンが5位、6位だった。
ここまでが同一周回で、7位から10位までは、クビアト、マッサ、ボッタス、ヴァンドーンの順でゴールした。
ロスベルグの優勝はほぼスタート直後に決まったといってよい。
ハミルトンは、スタートで大きく出遅れた上に、ボッタスと接触して後退してしまった。
ライコネンもスタートをしくじり、頭が取れなかった。
これでロスベルグを脅かすものはいなくなり、ロスベルグは残り56周の長いクルージングをすればよいだけだった。
今年からスタート時のクラッチ・ミートがドライバーによる手動方式に規制された。
このため、昨年までの方式では、ハミルトンのほうがロスベルグよりいいスタートを決めていたが今年の開幕2戦を見る限りハミルトンは2回ともスタートみすして優勝を逃している。
ロスベルグも、初戦ではしくじった。これがスタート時の予選順位逆転を可能にして、レースを面白くする要素になっている。
メルセデスにスタートでトップに立たれるとレース中にマシンの実力で逆転するのは難しいが、スタートでメルセデスの前に立てば押さえ込むことは可能だ。
中盤では、毎レース熾烈なポジション争いが繰り広げられている。
シャシー王=レッドブルは相変わらず非力なルノーPUでリチャルドが2戦連続4位に入る活躍を見せている。
驚くべきは、グロージャンとハースの組み合わせで、初年度のチームが第1戦6位、第2戦5位と大活躍している。
初戦は赤旗のタイミングが有利に働いたのでラッキーな面もあったが、第2戦バーレーンは違った。
ハースは、タイヤ供給方式が変わって各チームがタイヤ作戦を模索している中、タイヤの特性をうまく見極めた作戦を立てて成功している。今回はスーパーソフトを多用する3ストップ作戦に出て成功させた結果の5位だ。
グロージャンもチームの作戦によく応えた走りをした。
ハースは同じシャシーのマシンで争われるレースの中で臨機応変なチーム戦略が勝敗を分けるアメリカで鍛えられたチームであることを忘れてはならない。
マクラーレン・ホンダのヴァンドーンはたった1レースできわめて有望な新人であることを証明した。
今シーズンマクラーレンホンダのリザーブドライバーとなり、日本でスーパーフォーミュラのテストをやっていたところ、アロンソにドクターストップが出たことを受けて急遽バーレーンに飛び、初めてのマシンに乗った初めてのレースでポイントフィニッシュしてみせた。
さすがダントツでGP2チャンピオンになっただけのことはある。
次はチャイナGPだ、熊本とは東シナ海を隔てて目と鼻の先にある上海で開催される。
比較的ツィスティでタイヤに厳しいコースだ。
走行中のタイヤ機能の低下が早めに起こるからタイヤの選択と交換回数・タイミングが重要にある。
今回から去年までの方式に戻される土曜日の予選は雨が降る可能性がある。ハースのタイヤ戦略とスタート時の順位変動に要注目。
チャイナGPは1位フェッテル、2位ライコネン、3位ハミルトン、4位ロスベルグ、5位バトン、6位クビアト、7位アロンソ、8位サインツ、9位ボッタス、10位ペレスかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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