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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2015(14)2015 / 09 / 25

強いフェッテルとフェラーリが帰ってきた。
フェッテルは、予選から決勝まで、終始赤道直下のナイト・レース、シンガポールGPを支配した。
2位には、リチャルド、3位にはライコネンが入り、メルセデス勢はロスベルグが4位に入るのがやっとだった。
今シーズン、初めてフェラーリとフェッテルが実力でメルセデスを打ち負かした。

フェッテルは、予選2番手の位置から優勝を狙うリチャルドを寄せ付けず、クリーンスタートを決めた。
その後も、序盤のうちに5秒近いリードを築き、終始レースを支配した。
リチャルドがフェッテルの前に出る唯一の方法は、フェラーリよりタイヤの減りが少ないレッドブルの特性を生かして、できるだけタイヤ交換を遅らせて、ピットインのタイミングがずれた時に前に出ることだった。
しかし、レース中にセフティカーが2度も入ることになってしまいピットインのタイミングを同じにせざるを得なくなってしまった。
セフティカー明けの2度のスタートもフェッテルは完璧に決めたので、前に出る術はなかった。
逆に、フェッテルは終盤になってわざとペース少しだけ遅くして3番手のライコネンが2番手のリチャルドに追いつくのを助ける余裕があった。
そうしても、ライコネンがリチャルドを抜くことができないとわかると、ペースを速めてリチャルドを簡単に引き離した。
終盤になって、リチャルドはファーステスト・ラップを記録しながら追い上げた。
しかし、これまで41回も勝っているフェッテルは、ひとつもミスを犯さず、42回目のトップ・チェッカ-を受けた。

ハミルトンは、序盤に4番手をキープしていたが、25周目を過ぎたあたりからPUのトラブル(無線でパワーが出ないといっていた)で遅れはじめ、下位の車にも抜かれるようになってしまいリタイヤした。
この時のハミルトンはとても冷静で、何とかPUをリセットしてレースを続けさせようとするピットクルーに対して、ポイントが取れないなら、次回以降のレースのことを考えて、早くリタイヤしてPUによけいな負荷を与えないようにするべきだと説得するほどだった。

シンガポールGPでのメルセデスの劣勢はイタリアGPの終盤から始まっていた。
イタリアGPの終盤になってハミルトンがペースを上げて2番手とのタイム差を広げるようにピットから指示されたのは、タイヤの内圧が規定より低いことによるペナルティを受けても1位を維持できるようにするためだった。

イタリアGPでは、最終的にお咎めなしとなったが、シンガポールGPから、レース・スチュワートはいつでもタイヤの内圧をも抜き打ちでチェックできるようになった。
これで、メルセデスはタイヤの内圧を規定以上に保たざるを得なくなり、予選では、ポールのフェラーリから1.4秒遅れの5番手につけるのがやっとだった。
もともと、メルセデスはコーナーの多い低速コースをやや不得意としているが予選では勝っていた。
しかし、今回のパフォーマンス・ダウンは驚くほど多い。これまでタイヤ内圧を低くすることによって1周あたり1秒以上もアドバンテージを得ていたとしたら、
かなり問題だ。メルセデスが得意なはずの高速コース、鈴鹿の予選タイムを見れば真相が明らかになるだろう。

いよいよ、次は日本GPだ。
鈴鹿は、数あるF1コースの中でも屈指の名コースだといわれている。
高いテクニックを要求される前半と高速コーナリングの度胸を試される後半のコンビネーションが絶妙な上に、中間に立体交差があるので、右回りと左回りのコーナーがバランスよく配置されている。
2008年以来のホンダのホームグランプリだが、今のホンダPU はパワー不足のため高速コースでいい結果を出すことができない。
このハイブリッドPUが、かつて圧倒的なパワーを誇ったホンダRA168EのようなPUになれるのはいつだろう。
それでも、サムライ・アロンソと日本人を妻に持つバトンは自分たちのホームGPとしてもてる経験と力のすべてを懸けて戦うだろう。
今年が2度目のクビアトと今年が初めてのフェルスタッペンがどのように鈴鹿を攻略するか見ものだ。
マッサは鈴鹿を得意としている。フェラーリは鈴鹿のセッティングが巧い。
土曜日と日曜日の天気は曇りの予報だが、両日とも適度に雨が降ってくれるとマクラーレン・ホンダにとっては恵みの雨となるだろう。

日本GPは、1位フェッテル、2位ライコネン、3位ハミルトン、4位マッサ、5位アロンソ、6位バトン、7位クビアト、8位ペレス、9位グロージャン、10位フェルスタッペンかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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