マレーシアGPでフェッテルとフェラーリが復活した。
フェラーリの低迷に業を煮やしてアロンソが出て行き、代わってフェッテルが入ってきたとたんに、シーズン2戦目で優勝してしまうとはなんと言うことだ。
フェッテルは、去年、コントロール方法の違う新しいPUにてこずっていたが今年のフェラーリは彼にあっているようだ。
予選で2番手を確保し、トップに立ってからは見事にタイヤをコントロールして走りきった。
もともと、フェラーリはタイヤの温まりが遅く、予選よりも決勝のペースが良い傾向がある。
その代わり、予選で一発のタイムを出すときや決勝でタイヤ交換直後のペースがなかなか上がらないという弱点を抱えている。
ところが、今回マレーシアではタイヤに優しいフェラーリの特性がずばりはまったのだ。
フェラーリに比べるとタイヤの磨耗が早くタイヤ交換回数が1回多くなるメルセデスは決勝でフェラーリを脅かすことができなかった。
雨が降ったわけでもなく、アクシデントがあったわけでもなく、メルセデスが故障したわけでもないのにフェラーリが勝ったのだ。
メルセデスは、2位ハミルトン、3位ロスベルグという結果に終わった。
ライコネンはフェッテルから54秒遅れの4位だったが序盤のタイヤトラブルによるタイムロスがなければフェッテルとのワンツー・フィニッシュだっただろう。
ボッタスとマッサは、ウイリアムズのマシンはタイヤの磨耗が激しいことから完走を危ぶまれるぐらいだったが、巧みにレース・ペースをコントロールして、5位と6位に食い込んだ。
さすが老舗チームだ。今年、進境著しいトロロッソは新人二人が7位と8位に入った。
去年、メルセデス以外で優勝した唯一のチーム、レッドブルの二人はなんとか9位と10位に滑り込んだ。
マクラーレン・ホンダはオーストラリアGPから比べると格段の進歩を見せたが、まだトップからは1周2秒以上遅い。
決勝では中段でがんばっていたが、アロンソもバトンもマシン・トラブルでレースを終えた。
今後、パワーユニットの制御チューニングだけでまともなバトルができる状態にまで速くすることが可能なのだろうか?
サスペンションや空力面の改良も続けているようだが・・・。
マレーシアGPのフェラーリのパフォーマンスとフェッテルの走りを見て少し今シーズンに期待が持てるようになった。
パワーユニットと空力が優れているメルセデスは手強いが弱点もあることが分かった。
ルノーPUはフェラーリほど進化していないように見受けられるが、トロロッソはトップ10の常連になりつつあるだけでなく、現時点でレッドブルよりも速い。
新旧ドライバー間の戦いも面白い。
レースウィーク以外ほとんどテスト・練習走行ができない現行のF1レギュレーションの元では、シミュレータでの練習走行だけでそのまま本番に挑める若いデジタル・ドライバーが有利だと思われた。
しかし、2年目に入って、さすがに、ワールドチャンピオンをとった事があるようなドライバーは新しいPUの扱い方をマスターしてきた。
ホイル・スピンを起こさないようにしながら速く走る繊細なタイヤ・トラクションのケアのなどはデジタル・ドライバーでは真似ができないだろう。
上海はセパンよりもすっと涼しいので、メルセデス有利に戻りそうだが、このあたりでロスベルグが奮起してくれるとチャンピオンシップが面白くなる。
チャイナGPは、1位ロスベルグ、2位フェッテル、3位ハミルトン、4位ライコネン、5位マッサ、6位ボッタス、7位リチャルド、8位クビアト、9位サインツ、10位フェルスタッペンかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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