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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2014(20)2014 / 12 / 05

アブダビGPは、ハミルトンがスタート直後にトップに立ったあと、終始レースを支配して優勝した。
そして、ハミルトンは2014年F1ワールドチャンピオンになった。
年間11勝もしたのだから堂々のチャンピオンだ。
しかし、最終戦のアブダビGPがダブルポイントなのでハミルトンの順位しだいではロスベルグにもチャンピオンになる可能性が残されていた。
事実ハミルトンは予選からすべて順調にことが運んだわけではなかった。
予選ではロスベルグがハミルトンに0.4秒近い差をつけポールポジションに座った。
ブラジルGPのようなスタートダッシュを再現できれば優勝が可能な位置につけたのだ。
予選では、3番手ボッタス、4番手マッサ、5番手リチャルドがトップのハミルトンから0.64秒以内に着けた。
少なくとも、この4台はまともにレーシングができる状態になった。
シーズン中盤まではメルセデスと他のチームのタイム差は1秒近くあったのだから。

決勝では、スタートでハミルトンがトップに立ったことと、肝心な一戦でロスベルグのマシンにトラブルが出てしまったために2008年のチャンピオンシップのように最終戦の最終周回の最終コーナーでチャンピオンが決まるというようなことはなかった。
ロスベルグはレース最終盤でマシンを止めることをチームから勧められたが、最後までマシンを走らせ続けた。
ロスベルグは今年チャンピオンを逃したが、来年はハミルトンを上回ることも不可能ではないだろう。
終盤、マッサがハミルトンを猛追したが、マシントラブルでのリタイヤするのを避けたいハミルトンはギャップが詰まっても動揺せず、ゴールまで冷静なレース運びをした。

リチャルドは、ウイングの規則違反からピットスタートとなりながらもファーステスト・ラップをたたき出して4位まで追い上げた。
チャンピオンのフェッテルがチームを去る決断をせざるを得ないところまで追い込まれた相手であることを再認識させられた。
可夢偉は、最終戦を与えられた環境の中で精一杯戦った。
中盤にはマシンの力を最大限に引き出して、ペースを落としていたハミルトンと同等のタイムで周回してみせた。
あと数周というところで、にマシントラブルでリタイヤとなったのは残念だった。
今年の可夢偉のベストレースはイタリアGPだったと思うが、アブダビでもよく戦った。

今シーズンの後半は、脅威の大復活を遂げたウイリアムズのおかげでレースが面白くなった。
2009年の大怪我から復活したマッサが速さを取り戻したのも喜ばしい。
ボッタスの速さを早くから見抜いていたウイリアムズ御大の眼力には脱帽する。
ウイリアムズはコンストラクターズチャンピオンシップでもメルセデス、レッドブルに続いて3位に輝いた。
最終戦で、メルセデスPU以外ではレッドブルが4位と8位、フェラーリが9位と10位だったのは今シーズンを象徴している。
このままでは、メルセデスPUを積むチームとそれ以外のチームに差がありすぎる。
パワーユニットのスペック変更禁止事項を多少緩めないといけないだろう。
最高の空力マシンをもってしても一周0.5秒以上の差をつけられてしまうのだから。

しかし、F1界ではエンジンルールを自由にしていたころにホンダ・エンジンが勝ちすぎてしまった苦い経験があるため、PU変更の自由度をあまり大きくしないようにしている。
本来は、レギュレーションをもっと厳しくして、その範囲内では自由に開発ができるという方が良いと思う。
一年間に使用できるエンジン基数を制限しているのでコストはある程度抑えられ、耐久性確保のためにあまりに極端なことはできないのだから。
2015年、注目のチームは、ホンダPUを積むマクラーレン、巻き返しを図るフェラーリ、
秘策を練っているに違いないレッドブルだろう。
2015年、注目のドライバーはレッドブルのクビアト、トロロッソのバースタッパンとサインツJr.(二人とも二世ドライバー)かな。
あと3ヶ月もすれば2015年シーズンが始まる。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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