ブラジルGPは、ロスベルグがハミルトンを押さえて優勝した。
ロスベルグは、ここでハミルトンに負けていれば、来シーズンはメルセデス・チームのNo.2ドライバーになってしまったかもしれなかったところを、踏みとどまった。
しかし、今回のハミルトンの負けは、1回目のピットストップをロスベルグから2周遅れにしたために、ピットイン前の周回でタイヤがもたず、詰めるはずの差が逆に開いてしまったことが原因だ。
ただし、予選でロスベルグにポールを取られていなかったら最初から先頭にいけていたわけで、予選から通しで見ると、やはりブラジルではロスベルグがハミルトンを上回っていたのだろう。
ロスベルグのがんばりのおかげで、今後のレースがメルセデス・ハミルトン一辺倒にならず、少なくともチームメイト同士の緊迫したバトルは見ることができることが保障されたのだ。
ブラジルGPのもう一人の英雄はブラジル人ドライバーのマッサだった。
マッサは、いつもホームコースで格段に速い。
今年も、見事なドライビングでインテルラゴスを駆け巡った。
マッサは予選からすこぶる速く、ポールのロスベルグから僅か0.2秒遅れの3番手につけた。
もう少しでフロントローを取れたかもしれないぐらい速かった。
決勝では、メルセデスのペースには追いつけないことは自覚していたが、最低でも3位に入ってやるという心意気が最初から感じられた。
ピットレーン通過速度違反で5秒のピット停止時間延長ペナルティを食らったにもかかわらず、バトンの前に出てしっかりと3位に入ってみせた。
2008年にハミルトンとチャンピオン争いをした時のマッサが戻って来たような走りだった。
5位には健闘したフェッテルが入り、フェラーリ2台が6位と7位、ヒュルケンベルグは8位に入った。
シーズン終盤になってもメルセデスが突出しているのは変わりないが、その後に、ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブル、フェラーリが続くという構図が出来上がってきた。
メルセデスPUとルノーPU・フェラーリPUには70馬力以上の差があると言われている。
レッドブルは、自分たちが圧倒的に速かった時はレッドブルの空力アイデアをどんどん禁止にしていったのに、ルノーがメルセデスに追いつくためにPUの仕様を変更したくても規則で変更ができないのはフェアではないと抗議している。
いよいよ、2014年のF1最終戦、アブダビグランプリだ。
今年はシーズン終盤の数レースが消化試合になるのを防ぐため、最終戦は同じ順位でもダブルポイントになる。
ハミルトンとロスベルグのポイント差は17しかないから、ハミルトンがリタイヤしてしまうとロスベルグは5位になっても20ポイント獲得できるのでチャンピオンになれる。
メルセデスの2台が1・2フィニッシュの場合ハミルトンは2位でもチャンピオンになれる。
ハミルトンよりもロスベルグの方が気が楽だろう。
ハミルトンはリタイヤは絶対に避けたいだろうから慎重にならざるを得ない。
最近は冷静なレース運びをするようになったハミルトンだが、ロスベルグが1位で走っている時にチャンピオンを確実にするために2位をキープするようなことができるだろうか?アロンソやバトンならできるだろうけど・・・。
2レース休んでいたカーターハムと可夢偉はアブダビGPに出走する。
破産管財人の下でクラウドファンディングを使って何とかアブダビにやってきたカーターハム、ここでポイント圏内に入ればチームの買い手にとって魅力的になり、2015年にチーム名は変わってもチームを存続させることができる。
そのためには、可夢偉の力がどうしても必要だ。
ロシアGPの時とは状況が変わった。
あの時は、次の3戦を戦うだけのスペアパーツも足りないし、イギリスに帰ってもマシンを差し押さえられる恐れがあったのだ。
アブダビは雨が降らないから番狂わせは少ないが、最終戦は可夢偉ミラクルに期待しよう。
アブダビGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位マッサ、4位フェッテル、5位バトン、6位リチャルド、7位ライコネン、8位アロンソ、9位可夢偉、10位ペレスかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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