ロシアGPは、ハミルトンが完璧なドライビングを見せて優勝した。
ハミルトンは、予選ではロスベルグより一周0.2秒速く、決勝ではロスベルグの13.6秒前でゴールした。
ハミルトンのロシアGPでの走りはチャンピオンとなるにふさわしいものだった。
ロスベルグは、予選で2位となった不利をスタート直後に挽回しようとした。
ところが、ブレーキングで無理をして前に出たために、タイヤにフラットスポットを作ってしまい、早々にピットインせざるを得なくなった。
今回は、初めてのコースということでピレリが保守的なタイヤを選択していたおかげで残りの周回を無交換で走りきることができたから良かったようなものの、2ストップのコースだったらもっと不利になっていただろうし、2位だって危うい可能性はあった。
一方、ハミルトンは、序盤から無理をしなくてもいつでも抜き返せると思っていたに違いない。
今年の後半からのハミルトンは昨年までと違いあせらずに冷静にレースを組み立てることができる。
絶対的に優位なマシンに乗っていることもあるが、同じマシンに乗るロスベルグに対して精神的に優位に立っているように思える。
マシン・トラブルによる不利なグリッドやリタイヤ、もらい事故など自分ではどうしようもないことが起こらない限りハミルトンは2014年チャンピオンになるだろう。
今シーズン後半、メルセデスとの差をどんどん詰めているウイリアムズのボッタスは、予選でトップのハミルトンと0.4秒差の3番手だったし、決勝でも2位ロスベルグと4秒差まで迫った。
ウイリアムズはレースによってはメルセデスをひっくり返せるレベルまできている。
とはいえ、メルセデスも改良を続けているからそれほど簡単ではないだろうが。
シーズン終盤になって、ようやくトップ・チーム間のレースが見られそうな状態になってきた。
マクラーレンもバトンとマグネッセンがそろって4位と5位に入り、来シーズンに向けたシャシーの改良が順調に進んでいることをうかがわせる。
逆に得意なはずの中速コースで振るわなかったレッドブルはパワーユニットの制約によるところが大きいのかもしれない。
ルノーPU がこのままだとレッドブルが来年チャンピオンチームとして復活するのは厳しい。
フェラーリもまだ重症だ。カーターハムとマルシアはこの3週間の間に破産してしまったのでアメリカGPとブラジルGPの出場を免除されているが、買い手が見つからなければ最終戦アブダビGPも出場できないだろう。
第17戦は大陸を移動してアメリカGPだ。
オースティンのコースは路面の摩擦抵抗が少なめのコースで連続したコーナーがある。
タイヤはソフトとミディアムの組み合わせだからタイヤ交換作戦はひとつの見所になる。
フェッテルは、今回6基目のエンジンになるから上位グリッドは望めないが、ラップタイムを見ればソチの不調がPUのせいだったかどうかがわかる。
マクラーレンはここでも速ければ復調は本物だ。
ロスベルグはハミルトンに傾いた流れを食い止めるためにはここで力を示さなければならない。
失敗しても最終戦はダブル・ポイントだから挽回のチャンスガないわけではないが・・・。
ロシアGPは、1位ロスベルグ、2位ボッタス、3位バトン、4位アロンソ、5位マッサ、6位ペレス、7位フェッテル、8位ライコネン、9位マグネッセン、10位クビアトかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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