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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2014(1)2014 / 03 / 14

忙しかった冬が終わり、2014年シーズンは今日開幕だ。 
2014年シーズンからマシンのレギュレーションが大きく変わり、全チームがゼロ・リセットからのスタートとなる。
最も大きく変わったのはエンジンで、1.6LV6・ターボ+電気モーター+エネルギー回生システムとなり、もはやエンジンではなくパワーユニットと呼ばれる。
エンジン特性、ターボ過給圧制御、エンジンからの充電、ブレーキからの回生、電気モーターによる160馬力のブースとなど複数の変数があり、パワーユニット・メーカとチームはベスト・コンビネーションを見つけるのに苦労するだろう。
おそらく、1シーズンだけではベター・ミックスは見つかってもベスト・ミックスまでは到達しないだろう。

その代わりといっては何だが、ギヤボックスは8速となりギア比はシーズン初めに登録したもので固定となる。
ひとつ変数が減り、レースウィークのメカニックの負担も軽減されるが、モナコでもシルバーストーンでも同じギアで走らなければならなくなる。
ここ数年、F1エンジンは厳しいレギュレーションの縛りで新技術をトライができないばかりか、燃焼しないで排気の噴きつけに利用するなどという空力の補助役までさせられるようになり、将来の社会や自動車技術に貢献することがなかった。
そうゆう意味で今回のレギュレーション変更は、低資源と低炭素という地球社会的要請に応え、市販車にも応用できる技術であるダウンサイジングターボ、エネルギー回生、バッテリー制御、多速ギア自動変速と総合制御などパワー・駆動系の技術向上に貢献することができる。

シャシー面と言うより空力面のレギュレーションも変更された。
ドライバーの目線とほぼ同じ高さになってしまったF1マシンのノーズは低くせざるを得なくなった。
このレギュレーションを満たしつつできるだけ多くの空気をノーズの後ろに通したい多くのチームは通称、アリクイノーズと呼ばれる極端に先端の幅が小さいノーズを採用した。
リアウイング幅の規定も狭くなった。
細かな点ではリアのパワープラント周りで空力的工夫をする余地がかなり狭まった。
規制しても規制してもうまい抜け道を考えて優位に立ってきたチームにとっては厳しい変更だ。

今年のルーキードライバーはマグネッセン(マクラーレン)、クビアト(トロロッソ)、エリクソン(カーターハム)の3人だ。
中でも、注目はケビン・マグネッセン。
父も在籍した有力チーム、ハミルトン以来のマクラーレンからデビューするルーキードライバーだ。

シーズン前テストの結果(あまり当てにならないことが多いが)から見るとメルセデス・パワーユニットユーザが優位に立っていること確かだろう。
今年の前半戦はメルセデス、マクラーレン、フェラーリ、ウイリアムズ、フォースインディアの5チームが上位でゴールする可能性が高い。
リチャルドはホームレースになるが、今年のレッドブル・ルノーで開幕戦の上位に食い込むのは困難だろう。
ウイリアムズとマクラーレンが表彰台フィニッシュすれば、レギュレーション変更は興行的にも効果があったことになる。

オーストラリアGPは1位バトン、2位ハミルトン、3位ライコネン、4位アロンソ、5位マッサ、6位ロスベルグ、7位ヒュルケンベルグ、8位マグネッセン、9位ペレス、10位フェッテルかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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