フェッテルは当たり前のようにアブダビGPでも優勝し、連勝記録を7とした。
予選でポールポジションこそチームメイトのウエバーに譲ったが、決勝の第1コーナーでトップに立ってからは同じマシンに乗り2位に入ったウエバーを30秒も引き離し圧勝した。
ゴールした後、ウイニングランの途中に舗装されているエスケープゾーンでドーナッツ・ターンをやった。
インドでチャンピオンを決めたときと違って、その後パルク・フォルメにきちっとマシンを止めたのでペナルティはなかった。
エンジンやハブ、トランスミッションには余計な負荷がかかっているのは間違いない。
それでも、2013年シーズンのドライバーズとコンストラクターズ両チャンピオンシップを決めているフェッテル・レッドブルは、これが原因で次のアメリカGPをリタイヤすることになっても大きな痛手はないのだ。
4位にはタイヤ戦略がうまくいかなかったグロージャンが入り5位にはアロンソが入った。
アロンソは予選11番手から追い上げただけでなく、ピットアウト時に強引にコース合流したりしながら今のフェラーリからベスト以上のものを引き出した。アロンソはレース終盤にソフトタイヤに履き替え、フェッテルからこのレースのベストラップを奪い取った。
予想されたように、ドライバーズチャンピオンシップはアブダビGPからもう消化試合になってしまっている。
ドライバーの場合チャンピオンでなければ2位でも5位でも大きな違いはない。
しかし、コンストラクターズには残ったレースを戦うインセンティブが残っている。
コンストラクターズ・チャンピオンシップ順位によって来シーズンの分配金が大きく変わってくるからだ。
順位による分配金の額が1位違うごとに10億円以上も違うシステムで、富めるものはより富み、勝ったものはより有利になる。
いかにもヨーロッパ的なシステムだ。米国や日本だとこうはならないだろう。
とはいえ、そんな中でレッドブルは這い上がりいまや頂点に君臨しているし。
かつて、無敵であったウイリアムズ・ルノーが今や下位グループであえいでいる。
意思と実行力があればひっくり返すことができるわけだから、一見平等に見せてがんじがらめのシステムよりは良いかもしれない。
ドライバーのほうは2014年シーズンの移籍が表面化している。
ルノーのライコネンは背中の治療のため残りの2戦を欠場する。
残り2戦、ライコネンのシートに座るのは同郷のコバライネンだが2014年のシートが保障されているわけではない。
マクラーレンは2014年、ペレスに換えてマグネッセンを起用することを決めた。
今週はアメリカGPだ。2012年のアメリカGPは新品サーキットでのレースということもあったのか、フリー走行時はあまりにも路面のグリップがなく、決勝になってやっとまともなグリップが得られるようになった。
今年は2012年のようなことはないと思うがミディアムとハードなのでタイヤに厳しいメルセデスにとっては良いかもしれない。
最近調子のいいグロージャンとヒュルケンベルグの走りが楽しみだ。
雨が降ればマシンパフォーマンスに差があっても不確定要素が増えるのでレースが面白くなるのだが・・・。
アメリカGPは、1位ウエバー、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位マッサ、5位バトン、6位グロージャン、7位ヒュルケンブルグ、8位ロスベルグ、9位ペレス、10位ディレスタかな。
2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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