フェッテルは日本GPに勝って5連勝を達成した。
ところが、日本GPの勝利はフェッテルにとって簡単なものではなかった。
フリー・プラクティス中から出ていたKERSのトラブルが予選Q3でもでてしまった。
システムをリセットしてタイムアッタックを敢行したが、高速コースを得意とするチームメイト、ウエバーには及ばず予選2番手となってしまった。
レッドブルのマシンの速さにはかなわないが、一発の速さでタイムを叩き出したハミルトンが3番手、最近進境著しいグロージャンが4番手と予選上位につけた。
チャンピオンシップ争いで2番手につけるアロンソは予選8番手だった。
予選より決勝に強いフェラーリ・アロンソといえどもこの位置からの追い上げは厳しいものがある。
決勝では、案の定、ウエバーがスタートで出遅れただけでなくフェッテルまでスタートで出遅れてしまった。
その間隙を縫ってトップに立ったのはグロージャンだった。
ロータスはルノーだったころからスタートの良さには定評がある。
ここで、一旦フェッテルの5連勝に黄信号が灯るが、いまや最も優れたチャンピオンたちに並ぶまで成長したフェッテルはここから巻き返す。
フェッテルは、チームが3ストップ作戦に切り替えたウエバーのピット・ストップに反応してグロージャンが早めのタイヤ交換2回目を30周目に行ったあともコースに留まりグリップの落ちたタイヤで38周目まで引っ張った。
ピットアウトした後はグロージャンの2秒後に着け、41周目のホームストレートでグロージャンを抜いてトップに立った。
ここで勝負はついた。ウエバーは終盤3度目のタイヤ交換をした後、グロージャンを抜くのに8周を要したためにフェッテルに届かなかった。
これがチャンピオン・ドライバーとF1を去るドライバーの違いだ。
トップ3の争いに目を奪われている間にアロンソは8番手スタートからちゃっかり4位に滑り込んでいた。
アロンソが予選のままの順位でゴールしていればフェッテルのチャンピオンが決まっていたのだが・・。
ライコネンは5位。シーズン終盤になってパフォーマンスがでてきたザウバーのヒュルケンベルグとグティエレスは6位と7位に入った。
次のインドGPでフェッテルがリタイヤでもしない限りチャンピオンは決まる。
このため各チームの焦点は今年のチャンピオンシップとは別のところに移りつつある。
すでに今年のマシンの開発はほぼ止まっている。
開発が動いているとすれば来年マシンにも使える部分のテストやデータ集めが主になる。
と言うことは、これからの4GPはマシンの性能差は仕方がないとして、ドライバーの腕だけの勝負になる。
現時点で、アロンソとライコネンのポイント差は30ポイントしかない。
ライコネンにもロータスにもチャンピオンシップ2位になるチャンスは残されている。
インドGPが行われるブッダ(仏陀?)国際サーキットはロータスに向いているからライコネンとグロージャンの走りが見ものだ。
フォース・インディアはホームレースなので力を入れてくるだろう。
インドGPは、1位フェッテル、2位ライコネン、3位グロージャン、4位ウエバー、5位アロンソ、6位ハミルトン、7位ロスベルグ、8位マッサ、9位スーティル、10位バトンかな。
2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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