アメリカGPは、ハミルトンが実力でフェッテルとの一騎打ちを制して優勝した。
アロンソはフェッテルよりもハミルトンをライバルとして注意しているというのが頷ける1戦だった。
振り返ってみれば、2012年のハミルトンは自身のミスよりもチームのミスとマシントラブルで勝てるレースを失っている。
アロンソはもらい事故で2度リタイアしているが、ヨーロッパGPではフェッテルのマシントラブルのおかげで優勝できている。
今回、アロンソはチームメイトの犠牲とウエバーのマシントラブル、自身の粘り強い走りによって何とか3位を確保した。
ここアメリカでも、アップデートの効果がなかったフェラーリは予選でアロンソより前にいたマッサのマシンのギアボックス封印シールをわざと剥がして5グリッド降格させ、アロンソを少しでも前のグリッドにつかせる作戦を取ったのだ。
アロンソをチャンピオンシップレースにとどまらせるための犠牲となったマッサは、降格させられた11番グリッドから4位に入る好走を見せた。
ハミルトンの優勝の陰に隠れてしまったがバトンは予選Q2途中でマシンがストップしたため12番グリッドとなったが、果敢に追い上げて5位でゴールしている。
今年は突然グリップしなくなるピレリタイヤの使い方が難しくて毎レース優勝者が変わるところから始まった。
しかし、終盤になって各チームタイヤの使い方をマスターしてタイヤは撹乱要因ではなくなったと思われていた。
ところが、アメリカGPでは別の要素でタイヤがクローズアップされた。
アメリカGPのコースが今年から開催される新品サーキットだったことからいつもとは逆の事態となった。
多くのマシンが走ってタイヤの溶けたゴムがサーキット路面に付着するまでは全くグリップが得られなかったのだ。
ピレリがスムースな舗装のこのサーキットに対して固めのタイヤセットを用意したこともこれに拍車をかけた。
金曜日のP1の走り出し時点では各車簡単にコースアウトしてしまうアイスバーンのように感じられるコンディションだった。
決勝でも可夢偉は14週目に交換したハードタイヤで最後まで走りぬくことができただけでなく終盤にはトップを走るマシンと同等のタイムで走っていた。
それにしても、ハミルトンとマッサはタイヤの心配がないと速い。
シーズンを通じてタイヤに振り回されるたが多くのチームが優勝し、チャンピオンシップが最終戦までもつれ込んだのだから興行的には大成功だったといってよいだろう。
フェッテルとアロンソのポイント差は最終戦を残して13ポイントとなった。
最終戦でフェッテルがリタイアしても、アロンソは3位以上に入らなければ2012年チャンピオンにはなれない。
2008年もブラジルでチャンピオンが決まった。ハミルトンとチャンピオンを争っていたマッサがトップでゴールしてチャンピオンになるかと思われた。
ところが、最終コーナーでグロックを抜いて5位に滑り込んだハミルトンが1点差でチャンピオンになった。
決勝が雨になればアロンソのチャンスが広がるのでレースは面白くなる。
ブラジルGPは1位アロンソ、2位フェッテル、3位バトン、4位マッサ、5位ライコネン、6位可夢偉、7位ハミルトン、8位ペレス、9位ウエバー、10位セナかな。
2012 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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