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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2012(10)2012 / 07 / 20

ブリティシュGPは、ラスト4周でアロンソからトップを奪ったウエバーが優勝した。
ウエバーはモナコ以来の今期2勝目だ。
雨の予選をうまく乗り切りポールをとったアロンソだったが決勝は2位に終わった。
フェッテルは予選・決勝ともウエバーに歯が立たず3位でフィニシュした。
マッサは久々に良い走りを見せて4位に入った。
フェラーリが乗りやすくなったこともあるだろうが、やはりマッサは高速コースが得意だ。
5位と6位にはロータスのライコネンとグロージャンがはいった。
シューマッハは予選で3位に入る健闘をみせたが決勝では6位に終わった。

期待はずれだったのはマクラーレンとザウバーだ。マクラーレンはデータ、資金力、経験のあるトップチームで今回はホームグランプリだから良いパフォーマンスを見せるだろうと思われていた。
ところが、予選・決勝を通じて全くいいところがなく決勝で8位と9位にはいるのがやっとだった。
まるで今シーズン序盤のフェラーリと立場が入れ替わってしまったかのようだ。
マクラーレンはマシン開発の方向性を見失っているのだろうか。ザウバーは予選上位に入ることの可能なマシンでありながら、予選Q2が再開された時、完全なウエット路面だったのにインターミディエイトを履かせてコースに出すという失態を演じたために予選上位を逃している。
ザウバーはこれが決勝の結果にまで響いた。

ピレリはブリティシュGPから新しいコンパウンドのハードタイヤを投入した。
これまで不評でタイヤ交換義務のためにだけ使われていた印象の強かったハードタイヤはやっとソフトタイヤとのコンビネーションで使えるようになったようだ。
ドイツGPはソフトとミディアムのコンビネーションなのでタイヤ的には安定したレースが見られる可能性が高い。
もっとも予選晴れ、決勝雨などとなると全く状況は変わってしまうが。

今年のドイツGPはホッケンハイムで開催される。
現在、破産の危機に見舞われているニュルブルクリングとの隔年開催になっている。
もともとは森の木立の中を長い直線が走るサーキットで主にF2レースが催されていた。
スコットランド人の天才F1ドライバージム・クラークが雨のF2レース中に事故で死亡してしまった。
ロータスはジムクラークの死を悼んで市販スポーツカーのエンブレムをしばらくの間黒地にしていた。
2002年からはロング・ストレートがカットされた新コースとなったので安全になったが、ハイスピード・バトルは見られなくなった。新設部分は幅が広いのでパッシングもやりやすい。

最近、予選での速さが目立ち始めたシューマッハはここホッケンハイムを得意としている。
シューマッハが絶対王者として君臨していた時代はレース中の給油が許されていた。
当時サイボーグといわれるぐらいの体力を維持していたシューマッハはレース中に3回ピットストップを行い、全スティントを予選並みの速さで走っていた。
しかし今のF1は満タンでスタートしてゴール前には100Kg以上軽くなったマシンで戦わねばならない。

ドイツGPは1位シューマッハ、2位アロンソ、3位フェッテル、4位ロスベルグ、5位ライコネン、6位可夢偉、7位グロージャン、8位ウエバー、9位ハミルトン、10位セナかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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