カナダGPでようやくハミルトンが今期初優勝を飾った。
2位と3位にはワン・ストップでタイヤをもたせながらもいいペースで走り切ったグロージャンとペレスが入った。
ワン・ストップで優勝を狙ったアロンソは終盤になってタイヤがもたずそのままゴールまで走る間に5位まで下がった。
アロンソより少し早めにタイヤがだめになったフェッテルはタイヤ交換して4位まで追い上げた。
金曜日にデフのトラブルでフリー走行ができなかった昨年のウィナー、バトンはマシンを仕上げられなかったハンディキャップが最後まで影響し、決勝16位と低迷した。
ここまでの7戦で7人のドライバーと5種類のマシンが優勝した。
マクラーレン2勝、レッドブル2勝、ウイリアムス1勝、メルセデス1勝、フェラーリ1勝だ。
今年はタイヤに振り回されてまだどのチームもどうすればうまくいくのか解っていない。
ピレリ・タイヤはパフォーマンスを発揮する領域が極めて狭く、限界を超えるとタイヤが突然機能しなくなる(ラップタイムが3~5秒ぐらい遅くなる)と言われている。
しかも、サーキットごとにハード側タイヤとソフト側タイヤの組み合わせが変わる。
これに加えて金曜日から日曜日までのサーキット路面温度、燃料の重さ(マシンの重量)など複雑な要素が幾重にも重なっている。
もちろん長年戦っているグランプリチームは膨大なデータの蓄積があるからその時々の状況にあわせてセッティングする技術を持っているのだがタイヤのスウィート・スポットがあまりにも狭いためにセッティングが難しいのだ。
専従のレーシングタイヤ・スペシャリスト(元ブリジストンの浜島氏)がいるフェラーリでさえ苦労している。
上位チームはブレーキの熱をホイールに当てる量を調節するなどの対策をして何とかタイヤのパフォーマンスを安定させようとしているぐらいだ。
そんな中でもチームの実力を感じさせるのはマクラーレンとレッドブル、ドライバーの実力を感じさせるのはアロンソとフェッテルだろう。
北米大陸で1戦したのみでF1サーカスは大西洋を渡り、再び地中海沿岸に戻る。ヨーロッパGPはスペインのバレンシアで行われる第2スペインGPで、来年からはスペインGPとしてバルセロナとの隔年開催になる。
バレンシアのコースは海沿いの一般道を利用したストリートコースだ。
オレンジの名産地であることからわかるように典型的な地中海気候で夏の気温は高い。
ヨーロッパGPで使用されるタイヤはミディアムとソフトになる。
前2戦より1段づつ固い目のコンパウンドだ。
とはいえ、路面温度は高いだろうからワン・ストップはリスキーだ。
フェッテルはバレンシアのコースを得意としている。
昨年はマシンのトラクションが非常に良かったこともあるが彼にしかできないようなライン取りでコーナーを回り、圧倒的に速かった。
バトン、ライコネン、可夢偉はいい結果を出しさないといけないのでフリー走行から決勝まででマシントラブルがないといいが。
ヨーロッパGPは1位フェッテル、2位アロンソ、3位可夢偉、4位バトン、5位ライコネン、6位ハミルトン、7位ウエバー、8位ロスベルグ、9位シューマッハ、10位マッサかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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