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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2012(5)2012 / 05 / 11

4戦目となるバーレーンGPで今期4人目のウィナーが誕生した。
フェッテル・レッドブルが今期初優勝!し、ロータスのライコネン、グロージャンが2位、3位にはいったのだ。
マレーシアでポイント圏外に終わったレッドブルはわずか5週間でマシンを修正し、予選・決勝ともにトップを狙えるマシンに仕立て直してきた。
レッドブルは前戦のチャイナGPで2台のマシンの空力仕様を変えて実戦テストをしてまでバーレーンに備えた。
結局バーレーンでは新しい仕様の方を採用し結果につながった。
もっとも、ドライバーがフェッテルでなければ優勝までは行けなかったかもしれないが・・・。

バーレーンGPもう一つのハイライトは、シーズンオフのテストでシャシーの強度問題が発覚し、テスト不足で開幕に挑んだロータスが安定した速さを示し始めたことだ。
ロータスのドライバー、ライコネンはレースごとに勘を取り戻し、たった4戦で優勝を狙えるところまで来た。
もう一人のロータスドライバー、グロージャンも予選だけでなく決勝でも強い走りができるようになった。

今年のF1で問題になっているのは、タイヤの使い方によってレースパフォーマンスが劇的に違ってしまうことである。
バーレーン予選11位のライコネンはあえて予選Q3進出を狙わず決勝にタイヤを温存したことで、もう少しで優勝というところまで行った。
これでライコネンが優勝でもしていたらもっと大きな話題になっていただろう。
Q3まで進出してしまうと決勝は予選Q3で3周走ったユーズド・ソフトタイヤでスタートすることになってしまう。
新品のソフトタイヤでスタートできる予選11位のドライバーより3周早くピットインしなければならない。
しかも、11位のドライバーは決勝で新品のソフトタイヤを2セット使えるのに対してQ3に進出したドライバーは新品のソフトタイヤは1セットしか残っていない。
Q3に進出するより予選ではできるだけ新品タイヤを温存したほうが、決勝での作戦に幅が出て有利になる。
バーレーンGPでロータスが取った作戦はチャイナGPでライコネンが予選5位でありながら、決勝後半でワンセットのタイヤを長く引っ張りすぎたために14位に終わった教訓から来たものだろう。

バーレーンGPからスペインGPまでは3週間ある。
この間にイタリアのムジェッロでシーズン中の合同テストが催された。
フェラーリやザウバーはパフォーマンスの挽回に必死だし、3週間あれば開発力のあるマクラーレンやレッドブルはかなりの改良を施すことができるだろう。
ロータスとザウバーがいいタイムを出していたが、悪くはないという程度でこのテストのタイムで今後のレース結果を占うことはできないだろう。

スペインGPのサーキット・デ・カタルーニャはどことなく鈴鹿に似たところがあるレイアウトなためか日本人F1ドライバーは得意としている。
2007年琢磨がドライバーの力でスーパーアグリを8位に持ち込んだ。
鈴鹿育ちでない可夢偉には関係ないだろうが・・。

スペインGPは1位可夢偉、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位バトン、5位フェッテル、6位ライコネン、7位シューマッハ、8位ウエバー、9位マッサ、10位セナかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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