マレーシアGPは予選がほぼドライで決勝がウエットだったために予選と決勝が全く異なる結果となった。
予選は、オールラウンドで安定した速さを持っているマクラーレンに乗るハミルトンが2戦連続のポール、初戦優勝のバトンが2番手だった。
予選ではめっぽう早いメルセデスのシューマッハはついに予選3番手に入った。
結果がいいとかつてのシューマッハが蘇ったように思えるから不思議だ。
今年はさまざまな空力規制でアドバンテージを失ったレッドブルは4番手と6番手、早いが安定性を欠くロータスに乗るライコネンが5番手とレッドブルの間に割って入った。
アロンソは9番手につけるのがやっとだった。
ところで、今年のメルセデスが予選で早いのはDRSの作動を利用したダクトによるものらしい。
DRSが作動するとウイングが水平になり空気抵抗が減る。
DRSでウイングを水平にした時に空気をリアからダクトを通してフロントウイングまで導くことによってフロントウイングのダウン・フォースを減らし、DRSによって減ったリアのダウン・フォースとフロントのダウン・フォースのバランスを良くすることができる。
これならばウイングを走行中に動かすことを禁じたレギュレーションに抵触しない。
DRS作動時のブレーキングも安定する。
予選ではコース全域でDRSが使えるのでより有利だ。
だから、メルセデスは予選で速いのだ。
このアイデアをロータスはルール違反だと抗議している。
決勝レースはアロンソとペレスのツーマン・ショウだった。
二人ともそれぞれすばらしい走りを見せた。
ペレスは予選で速いばかりでなくこれまでも決勝でワンストップ作戦をしばしば成功させてタイヤの使いかたのうまさを見せていた。
マレーシアではチームのタイミングの良いタイヤ交換と相まって、もう少しでアロンソを抜くというところまで追い上げた。
しかし、アロンソに追いつくのと追い抜くのとは大違いだ。
アロンソを抜くのは容易ではない。
アロンソは戦闘力の劣る今のフェラーリを巧みに操ってペレスの猛追をかわし、予選9位のマシンを優勝に導いた。
しかも、アロンソはレース中にテレメトリが故障していてピットからの情報がほとんどない状態で走っていたのだ。
チャイナGPのコースは上から見ると上海の上の字型になっている。
中国人らしい設計時のリクエスト(おそらく)だ。
上海は前戦のマレーシア同様、突然の雨でレースが思わぬ方向に行くことがあるサーキットだ。
天気予報では土曜日は晴れ日曜日は雨となっている。
天気が予報どおりになればマレーシアのときと同じように天候の読みと変わり続けるコースコンディションに合わせたタイヤの使い方が勝敗を分けることになる。
観客としては天気が予報どおりになってくれると面白いレースを見ることができる。
マレーシアではちょっとしたタイヤ交換のタイミングのずれや運の悪さで下位に沈んだドライバーたちにチャイナではいい巡り会わせが来るかもしれない。
チャイナGPは1位バトン、2位フェッテル、3位可夢偉、4位ハミルトン、5位ライコネン、6位シューマッハ、7位アロンソ、8位ウエバー、9位グロージャン、10位ロスベルグかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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