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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2011(16)2011 / 11 / 25

アブダビGPはいつものようにポール・ポジションからスタートしたフェッテル・レッドブルが1週目の第2コーナーで右リヤタイヤ突然パンクしてリタイヤした。
いかにフェッテルでもパンクには勝てない。
このチャンスをしっかり掴み取って優勝したのはハミルトンだった。
もっとも、フェラーリに乗るアロンソに対してはマシンアドバンテージがあるし、同じマシンに乗るバトンはKARSのトラブルを抱えていたので脅威にはならなかった。
そして、ここアブダビでも元チャンピオン3人が表彰台に登った。
どうしてもタイヤを早目に消耗してしまうウエバーがもう少しうまくやってくれたらレースは面白くなったのだが、タイヤ交換が1回多いウエバーはマッサと争って4位を奪うのが精一杯だった。
6位、7位にはメルセデスのロスベルグとシューマッハが入った。
ここまでは充当にトップ4チームが占めたがポイント圏内残り3スポットを得るための争いは熾烈だった。
結局、フォースインディアの2台とザウバーの可夢偉がポイントを得た。
可夢偉は後3周あれば9位に滑り込めたかもしれない。
シーズン前半速かったルノー(ロータス)・ザウバーと後半速くなったフォースインディア・トロロッソは立場が逆転してしまった。
フォース・インディアはマクラーレンから駆動系システムの供給を受けている。
トロ・ロッソはレッドブルからエアロ・ダイナミックスのノウハウを得ている。
そのおかげで両チームはより狭い領域の技術課題に専念できるのだ。
これは供給側のチームにもメリットをもたらしている。
シーズン中の実車テストが禁止されている近年のF1ではレース・ウィークの3日間のデータは貴重である。
供給元のチームは供給先のチームのデータも手に入れて分析することが可能になる。
いくらルールで縛っても情報化の発達した現代ではいくらでも見えない抜け道がある。
いっそのこと、1950-60年代のようにマシンを自作しなくても他のチームからF1マシンを買えるようにしてもいいのではないだろうか。
英国のチームでロブ・ウォーカー・レーシングというチームがあった。
当時、クーパー、ブラバム、ロータスなどからF1マシンを買って走らせていた。
何度も優勝している強力なプライベートチームだった。

ようやく、最終戦ブラジルGPだ。
年間19戦もあると本当に長く感じる。
ホセ・カルロス・パーチェのコースは左回りでホームストレートが一番高い位置にあり最終コーナーを左回りで駆け上り、ホームストレート・エンドは下り坂で1コーナーの後がS字になっている。
ストレート・エンドではブレーキング競争によるパッシングが見られる。
ただし、あまり無理をして1コーナーで抜くとS字ではらんだところをクロスで抜き返される。
今年はバック・ストレートがDRSゾーンになっているからここでもパッシングが見られるだろう。
サンパウロの天気は不安定だ。
予報は曇りだがレース中に雨が降ってくれると面白くなる。

ブラジルGPは1位バトン、2位フェッテル、3位アロンソ、4位可夢偉、5位マッサ、6位シューマッハ、7位ロスベルグ、8位スーティル、9位ブエミ、10位バリチェロかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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