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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2011(10)2011 / 09 / 09

毎年、気まぐれに動くスパ・ウエザーが今年は決勝よりも予選を翻弄した。
特にバトンはピットの判断ミスのおかげで最後の1週を走らなかったためタイムが出せず13番グリッドからのスタートになってしまった。
これがなかったらバトンは決勝で優勝争いができていたかもしれない。
フェッテルは見事なドライビングでポールを取った。

決勝もフェッテルの完勝というべきレースとなった。
イギリス2位、ドイツ4位、ハンガリー2位と、ここ3レース優勝のなかったフェッテルが自分の力で表彰台の中央に戻ってきた。
マクラーレンに追いつかれ若干先をいかれた感の出ていたレッドブルのマシンも対策を施していた。
なんと極端なネガティブ・キャンバー(ネガ・キャン)をタイヤにつけていたのだ。
(前から見るとタイヤが地面に直角でなくハの時に傾いている)
レッドブルのことだから車体下に導く空気の量を増やすためにやっているのだろうか。
同様に車体後部をかなり持ち上げ尻上がりのセッティングにしている。
これも車体下部から後部に抜ける空気の量を増やそうとしているのだろう。
おかげでレッドブルのリヤ・ウイングは他車に比べてかなり小さくて寝ている。
十分なダウン・フォースを車体で確保しているのだ。
レッドブルは極端なネガ・キャンのためにタイヤの内側にブリスターが発生していた。
フェッテルはブリスターがすぐに発生するネガ・キャン・セッティングのマシンとタイヤをうまくマネジメントして優勝したのだ。
チームとドライバーが一体となって勝ったのだ。
もっとも、レッドブルが新しいことをやってアドバンテージを得ると間髪をいれずに規制する今年のFIAは、早速、次のイタリアグランプリからネガ・キャンの角度規制をやるらしい。
さあ、レッドブルの次の一手はなんだろうか?

F1ヨーロッパラウンド最終戦イタリアGPは伝統の高速コース、モンツァで戦われる。
ベルギーGPで、抜いた可夢偉が背後にいるとは思わずクラッシュ・リタイヤしてチャンピオンシップでは絶望的になったハミルトンは、これからひとつひとつのGPレースを勝ちにくるだろう。
アロンソはフェラーリの地元で勝ちたいだろう。
去年、高速コースのモンツァでリア・ウイングを立てて速く走ったバトンは今年どんな手を使うだろう。
チャンピオンシップの行方が見えても、F1は一戦一戦が面白い。

イタリアGPは、1位ハミルトン、2位バトン、3位フェッテル、4位アロンソ、5位ウエバー、6位マッサ、7位シューマッハ、8位ロスベルク、9位デ・レスタ、10位ペレスかな。

2011 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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