カナダGPは予選がドライ、決勝がウエット-セミ・ウエット-ドライのコンディションで戦われた。
目まぐるしく変わるコンディションを最も得意とするバトンが6回のピットストップと1回のドライブスルー・ペナルティの末にファイナルラップでフェッテルを追い詰め、抜き去って見事な優勝を決めた。
可夢偉は雨の中で13位から7位まで上がりタイヤ交換をしなかったため前半赤旗中断時にはなんと2位につけていた。
赤旗再スタートとはいえ日本人ドライバーがフロントローに並ぶのを見るのは2004年ヨーロッパGP以来の光景だ。
その後、路面が乾くにつれドライではトップと5秒近く遅いマシンでよく頑張ったが7位フィニッシュとなった。最終ラップシケインの立ち上がりからフィニッシュラインまでの間でマッサにDRSを使って抜かれた時可夢偉はとても冷静なドライビングをしていた。
あれがシューマッハだったらもっと寄せて抜かせまいとしただろう。
可夢偉はクラッシュを避けて7位を取り、クラッシュした場合にペナルティを受ける可能性を回避したのだ。
モナコあたりから顕著になった傾向だが、シーズンが始まったころは2番手以下のチームに対して大きな性能差を持っていたレッドブルが決勝を見る限りマクラーレンと比べて明らかに違うというほどの差を持っていないことだ。
レッドブルのマシンは他のチームのマシンより空力性能が優れているが、KARSの冷却問題を抱えておりKARSをレース通じて有効に使うことができない。
このため、レッドブルは予選でフロントローを独占し、決勝ではライバルを早々と引き離してそのまま逃げ切るという作戦をとることが多い。
ところがレッドブルが予選で速い理由のひとつとなっていた排気ガスをリアタイヤに吹き付けるシステムはドライバーがアクセルを踏んでいないときでも一定の排気ガスが出るようになっているがイギリスGPから禁止される予定になっている。
これで予選でのアドバンテージが狭まり、予選・決勝とも伯仲したレースが望めると言われている。
ヨーロッパGPは、バレンシアのストリートコースで争われる。
今回、ピレリはモナコのときのようなスーパー・ソフトとソフトという組み合わせでなくソフトとミディアムというタイヤの組み合わせを提供するらしい。
ピレリタイヤはモナコとカナダを見る限り路面のミューが低いストリート舗装のコースでは結構もつようだ。
タイヤに優しくないドライバーでもそれほど不利ではないかもしれない。
となれば、来年のシートが危うくなってきているウエバーやマッサも巻き返すことができるかもしれないし、ハミルトンはここでクラッシュすることがあればマクラーレンも体制を考え直す可能性が出てくる。
アロンソはストリートコースが得意だし事実上の第2スペインGPなので光るものを見せるだろう。
ヨーロッパGPは、1位フェッテル、2位アロンソ、3位ハミルトン、4位ウエバー、5位バトン、6位ロスベルク、7位可夢偉、8位マッサ、9位シューマッハ、10位ハイドフェルドかな。
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POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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