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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One(13)2010 / 11 / 05

ゴールまであと10周というところでチャンピオンシップの流れが大きく変わった。
シーズン前半戦では焦って勝てるレースを落としていたフェッテルがシンガポールGPあたりから速いだけでなくクレバーなレースをするようになった。

韓国GPでも序盤戦からトップを独走していた。
ところが、突然のエンジン・ブローでリタイヤとなってしまった。
厳しいコンディションの中、唯一フェッテルを追い続けていたアロンソが優勝した。
鈴鹿では3位を確保するのがやっとで韓国でも予選修了時点では決勝3位が濃厚だったのにレッドブル2台が自滅したため一気にチャンピオンシップ争いで優位に立った。

可夢偉はタイヤ交換タイミングが早すぎたにもかかわらずタイヤを巧くセーブして、日没まで続いたレースを8位でフィニシュした。
可夢偉は最後の数周は暗くてほとんど見えなかったとコメントしている。
以前フォーミュラ・ニッポンの日本人選手が語っていたが、ヨーロッパ、特に北欧の選手は日本人選手と比べて雨や夜のレースで速いのは暗い場所でも日本人よりよく見えるためらしい。
そういえば、日本人はヨーロッパのレストランの照明を暗いと感じるが、夏のよほど晴れた日でもない限りサングラスがないと眩しくて困るということはない。

F1サーカスはいよいよ地球の裏側ブラジルへ移る。
エマーソン・フィッティパルディ、ネルソン・ピケ、アイルトン・セナといった偉大なチャンピオン達だけでなく数多くのF1ドライバーを搬出してきた国だ。
今、走っているマッサとバリチェロもチャンピオンにはなったことがないが、速いドライバーだ。
2008年のF1は今年と同じように最後までチャンピオンシップがもつれた。
シーズン最終戦ブラジルGPファイナルラップの最終コーナーでハミルトンがグロックを抜くまでチャンピオンが決まらなかった。

ブラジルGPの開催されるインテルラゴス・サーキットはF1コースでは数少ない時計の反対回り(左周り)だ。
このコースでは最終コーナーを高速で立ち上がり、ストレート・エンドの1コーナーでパッシング仕掛けるシーンが良く見られる。
ただし、1コーナーの進入で無理をして抜くと2コーナーで抜き返される。
このコースは他にもパッシング・ポイントがいくつかあり観戦には絶好のコースだ。
レース中雨に見舞われることが多いコースでもある。今週末も雨の可能性が高いらしい。

ここまで来てチャンピオンの可能性を残しているのは数字上5人、事実上4人となった。
去年の事故から奇跡的に復活したマッサは、今年、残念ながらチャンピオン争いに加われなかったが、インテルラゴスが得意だしフェラーリは例年このコースでは速いから是非いいところを母国で見せて欲しい。
ハミルトンとフェッテルはまだ諦めてはいない。
ウエバーは平常心を取り戻せるだろうか?
ドライバー達はチャンピオンシップを争っていてもいなくても来シーズンに向けてここでいいところを見せておかないとシートを失う危険すらある。
フェラーリが1・2ならチャンピオンはここで決まりだ。
2010 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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