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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One(9)2010 / 09 / 10

スパ・ウエザーは今年も予選からチームとドライバーを翻弄した。
なかでも、Q1は短いセッションの中盤に雨が降ったために練習走行では良いタイムを出していたザウバーなどがQ2に進めなかった反面、ロータスやヴァージンがQ2進出を果たした。
フォースインディアは今年も予選からスパでは速いところを見せた。
ウエバーはこのコースに向いていない(といっても速い)レッドブルでポールをとった。
ハミルトンはQ3終盤、濡れた路面で巧みなドライビング見せ予選2位に食い込んだ。
クビサも久々に予選3位に入った。

スパの気まぐれな天候は決勝になっても続く。
降雨スポットをチェックするために上位チームはヘリを飛ばしてしているほどだ。
案の定、序盤と終盤に雨が降った。
予報どおり序盤に降った雨が一旦上がり、終盤になってまた降ったため、その間のタイヤ交換時期とタイヤ選択によって勝負が決まった。
ハミルトンが優勝、ウエバー2位クビサが3位に入ったが、実は3人とも冷静でコース・コンディションに関わらず巧いドライビングを見せるドライバー達だ。
決して運が良かったわけではなく、悪コンディション下でも速く走り続ける実力があるからだ。
雨にめっぽう強いスーティルは5位に入ったし、可夢偉も後方スタートから巧いレース運びで8位に食い込んだ。
フェッテルはまたも焦って自滅しただけでなく、バトンまで巻き込んでしまった。
速いだけではチャンピオンにはなれない。

イタリアGPの開催されるモンツァはイタリア北部の都市ミラノの郊外にある。
ミラノには大聖堂や最後の晩餐の絵画、ミラノ・ファッションなど見所はいっぱいあるが、車好きにとってはなんと言ってもアルファロメオである。
アルファのエンブレムの中にある赤十字はミラノ市の市章で、アルファは昔も今もミラノの誇りである。
フェラーリが台頭するまではグランプリカーといえばアルファロメオであった。
エンゾ・フェラーリは自身アルファロメオのレーシングドライバーであったし、スクーディア・フェラーリも自前のレースカーを作り始めるまではアルファロメオを走らせていた。

いよいよ、ティフォッシ(フェラーリ・ファン)達が待ち焦がれたイタリアGPが伝統の高速コースモンツァで競われる。
いうまでも無くフェラーリ・チームは最も力が入る。
モンツァは高速コースに適したマクラーレンとフェラーリにとって有利なコースだから、ベルギーで痛いポイントを落としたバトンとアロンソはなんとして勝ちを狙ってくるだろう。
ベルギーGPで高速コースでも速いことを証明したルノーのクビサと高速コースでは速さを見せるフォースインディアのスーティルにも注目だ。
2010年のチャンピオンシップもあと6戦となった。
2010 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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