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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One(5)2010 / 07 / 09

ヨーロッパGPのヒーローは3人いた。
優勝したフェッテル、7位を獲得した可夢偉、4位に入ったバリチェロの3人だ。
なかでも可夢偉はドライバー・オブ・ザ・ディといってもいいだろう。

予選ではどうもパフォーマンスが出せず、下位の6台のすぐ上18番手のポジションに甘んじていた。
もっとも、予選タイムはトップのフェッテルから1秒しか離れていなかったから絶望的な差ではなかった。
ここは低ミュー路面のストリートコースなのでモナコほどではないがパッシングはかなり難しいコースだ。
可夢偉は、ハード(プライム)タイヤで出来るだけ長く走ってタイヤ交換のタイミングをずらし、少しでも上位に立つ作戦だった。ウエバーの大事故の後、ソフト(オプション)タイヤでスタートしていたドライバーが次々とタイヤ交換を済ませるなか、可夢偉はハードタイヤで走り続けた。
その間タイヤをセイブしながらもバトンを抑え続け、長らく3位の座をキープしていた。
ラスト4周となってからタイヤ交換のためピットインした。
評価に値するのは、ラスト4周までタイヤをもたせながらハイペースを保ったことだ。
トルコGPとは状態が違うだろうが、ロングランでのタイヤ・マネジメントが進歩したように見える。
そして、フレッシュ・ソフトタイヤに履き替えるやまずはアロンソを抜き去り、最終ラップの最終コーナーの突っ込みでブエミを退け、自力で7位をもぎ取った。
どうやら、可夢偉はタイヤ・マネジメント術を身に付けたようだ。

フェッテルはヨーロッパGPで久々に圧勝してチャンピオンシップ争いに復帰してきたし、マクラーレンは今回アップデートなしで2・3位を入った。
ウイリアムズはバリチェロのルノーはクビサのドライビングによって上位に食い込んだ。
フェラーリとメルセデスはあまりいいところが無かった。

シーズン折り返しの10戦目、ブリティシュGPが開催されるシルバーストーンは飛行場跡地に作られた有名な高速コースだ。
かつて、無敵のホンダ・ターボを搭載するウイリアムズとロータスが1・2・3・4フィニッシュを飾ったことがある。
英国人はモータースポーツファンが多い。
英国では、自宅のバックヤードで仕立てたセダンでサーキットまで自走し、レースを楽しむ人は珍しくない。
レース人口が多いので、レースカー・メーカーや部品メーカーが多数存在し産業として成立している。
このため、英国に本拠地があるF1チームが多く、事実上のホーム・グランプリというチームが多い。
ということは、ここぞと頑張るチームが多いということだ。
特に、マクラーレンはファクトリーがシルバーストーンのすぐそばにあり、ヨーロッパGPでは見送ったメジャー・アップデートをここで投入してくるだろう。
しかも、ドライバーは二人とも英国人だ。
レッドブルにとってもチャンピオンシップ逃げ切りのためにはここでマクラーレンを突き放しておく必要がある。
メルセデスとフェラーリは正念場だ。
後半戦の流れがここで決まる。
2010 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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