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SHOWKEN HIRASAKA 平坂彰謙
株式会社CAMELSTUDIO 代表取締役社長
抜群の安定感と驚異のパワー・ドラミングでダイナマイトポップスの音楽を支える、まさにバンドの支柱的的存在。リラックスとのコンビネーションにより最強のリズム・セクションを作り上げる。またDMやCDジャケットのデザインを担当する、ダイポプのアートディレクターでもある。

あのひとこのひと”素顔”のおもいで/泉麻人さん2009 / 07 / 31

トムクルーズが自作自演した映画「ミッション:インポッシブル(Mission:Impossible)」。これは1960年代にアメリカで放映されていたテレビドラマ「スパイ大作戦(原題は同じく”Mission:Impossible”)」の映画化であることは、ご存知の方も多いと思います。

アメリカの極秘スパイ組織IMF(Impossible Mission Force)…つまり、不可能な使命を帯びたプロたちがそれを成し遂げるという筋の、ある意味では「24」の原型みたいなドラマが元ネタだったんですね。

1988年ごろだったと思います。当時とある人材系広告会社に勤めていた自分が担当していた企業に「新日経」というアルミ材のメーカーさんがありました。
今思えばバブル絶頂期のころ、就職を控えた学生に「新日軽をよろしく」という告知をすべく豪華なパンフレットを企画せよという命が下り、さんざん悩んだ末、「不可能な使命に挑戦する会社・新日軽!」というテーマで一冊作っちまえ!という結論に。

タイトルはこれです。「不可能を可能にする会社−新日軽を考える!」

ただ企業の情報ばかり載せても学生の興味を惹くことはできません。
巻頭で学生にも人気のある有名人に登場してもらい、何かを印象づけなければ。
そこで「そうだ、あの”スパイ大作戦”をネタに、不可能を可能にするという企業イメージを上手に引きずり出そう」…
白羽の矢は、すでに当時昭和のB級ものなどを扱うコラムニストとして人気を博していた泉麻人さんに。

代官山にあるマンションの一室、多忙を極めていた泉さんへのインタビューが実現しました。

さすが泉さん、「B4判見開き」という制作側からすると太平洋の数十倍も広い面積を埋め尽くすだけの話題をふんだんに語ってもらい、学生の目を引く魅力的なページを作ることができました。(”スパイ大作戦”については自分のほうが詳しかった、というのが複雑な心境でしたが)

3万部ほど印刷し、大学生に配布し終わって3ヶ月ほどしたある日、ご依頼主である新日軽の人事担当者から電話がありました。
「あのね、今さらなんですけど、前に作ってもらったあれ、表紙のタイトルが”不可能を可能にする会社−新日<鉄>を考える!”になってたんですけど」

受け取った学生のひとりが電話で教えてくれたそうです。

はあ???

なわけねえだろ、あわてて引き出しから取り出した見本誌を眺めること数十秒…タイトルには超デカい字で「新日<鉄>を考える!」−−−

このような間違い、普通はしませんね。不可能です。

「あまりにもデカい字で自信満々に書かれると、誰も疑わないのでしょう。”灯台下暗し”ですよ。」
本来怒鳴り込まれても不思議でないご依頼主から、慰めの言葉すらもらったりして。

…その年、新日軽は空前の新卒採用「大成功」を収めました。

Mission:Impossible … 泉麻人さん、あなたのおかげです。

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Showken Hirasaka
Camelstudio Co., Ltd.

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