Archive for 12 月, 2009

ピンク・レディーのデビュー曲として「ペッパー警部」が世に出たのは1976年。
テレビの歌番組の影響が今よりずっと大きかった当時の小学生なら、
きっと一度は口ずさんだり振り付けをマネしたんじゃなかろうか。
その頃の僕もやはり、テレビで流行っていて、踊りが面白くて、
歌が覚えやすい曲にすぐさま食らいつく低学年の小学生だった。

それから30年以上経った。僕は大人になり、時代は移り変わり、
ヒット曲は30年前のヒット曲になった。
あらためて今、この曲を聴くと、小学校低学年の児童が受ける印象とは、
想像力のかきたてられかたが違ってくる。

ある娘が言うのである。いい年頃の娘である。
警察官の中でも20人に1人しかいない、そんな階級の警部に向かって言うのである。
「私たちこれからいいところなんだから、邪魔しないでよ」
都会の暮れかかる公園だろうか。娘は男から甘い言葉を注射のように射され、
連発銃のように「愛している」という台詞を打ち込まれているのだ。
そんな状況を、通りかかった警部は「貞節の危機」ととらえた。
視界に入った「乙女のピンチ」を、警部にもなれば黙って見過ごす訳にもいかないのだ。
しかし娘は、声をかけたそんな警部の親心を「無粋」と突っぱねたのである。
「これからいいところなのに」なんて、娘は言うのである。
「よろしくやっている」とか「しっぽりやっている」とか言われたも同然だ。小娘に。
「この、ペッパー警部!」とまで言い捨てられた、警部の心中はいかばかりであったか。

(ペ?ペッパー警部?ペッパー警部って・・・「若いお巡りさん」ならまだしも、
 きちんと手帳を呈示し、やんごとなき身分まで明かしたこの私にむかってペッパー・・・)

想像できる!
小学校低学年の児童では到底想像できまいて!
僕はこの、胡椒呼ばわりされた警部の気持ちになって考えることができるほど、歳をとったのだ!
生まれてこのかた、警部という肩書きの警察官にはお目にかかったことはないが!

さて、警部は責任ある一警察官としてこれからこの状況をどう対処するのか、
この跳ねっ返りな娘の貞節はその後どうなったか、というところで歌は終わってしまう。
「いいところ」でエンディングなのである。
話の佳境まで踊り続けたピンク・レディーは突然「ペッパー警部よ!」とポーズを決め、
笑顔をつくって話を締めてしまうのだ。

こんなことがあっていいものだろうか。こんな歌があっていいのか。
大体からして名前が「ピンク・レディー」、直訳で「桃色婦人」とは何事か。
「モーニング娘。」なんて奇妙な名のグループが跋扈する平成の御代ならともかく、
時代は昭和、今から30年以上も昔に、この二人組、そしてこの曲。
この企画を考え、世に送り出した大人は、一体何を考えていたのか。

だが立場を逆転し、この曲の企画制作者(阿久悠や都倉俊一)になったつもりで
現在の歳の自分が、あの時代に新人歌手「ピンク・レディー」を世に送り出す事を考えると、
途端にゾクゾクする。ワクワクする。
レコード会社やプロダクションにかなりの投資をさせた、この大いなる賭けでもある
「大人の遊び」は、果たして大衆に受け入れられるだろうか?誹られるだろうか?

ピンク・レディーは、大人になった僕にも想像の楽しみを与えてくれる、歌謡界の宝石箱だ。

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RITO MIURA/三浦鯉登
作曲家・ミュージシャン・昭和歌謡研究家

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kozokizu_071

そろそろ2009年も終わろうとしている。
実は競馬で1年の締めくくりは、12月ではなく日本ダービー(6月)と表現されることも多い。
なぜならこの種牡馬検定競走とされる日本ダービーは3歳馬たちが凌ぎを削り、10,000頭近くの中から1頭だけが頂点に立てる、一生で一度しか出られないレースだからだ。

そんな観点もあるが、やはりカレンダーでいけば師走が一年の締めくくりであることに間違いは無い。
そして競馬では「グランプリ」と称されるレースがある。
それが有馬記念だ。
もともと「中山グランプリ」という名前だったこのレースは、出走馬が人気投票の要素も踏まえて決められる。
この辺は日本の師走名物の紅白歌合戦的な発想だなぁ・・・と国民性を感じるが、それはさておき、これまでに多くのドラマを生み出しているレースでもある。
1987年、ダービーを圧勝したメリーナイスがスタート直後に落馬、菊花賞を勝ったサクラスターオーが故障発生という共倒れによって、メジロデュレンとユーワジェームスが1、2着し、馬券の種類が少なかった当時としては珍しいGⅠレース万馬券となる。
おまけにその2頭は4枠に並んで入っていて、頭文字を横に読むと「ユメ(夢)」となっていたことから、「ユメの万馬券」として長らく語り継がれることとなった。
1990年、全盛期の勢いの無いオグリキャップが、ジャパンカップでも惨敗してそのまま引退すべきなどの意見も出る中で、スタージョッキー武豊を背に引退レースに有馬記念を選び、見事に勝利を収めて「奇跡のラストラン」と言われた。
僕にとっては、イナリワンや前にも書いたトウカイテイオーなど、それまで低迷していた馬が「復活」するような、「感動ものレース」としてイメージ付いている。

この有馬記念の行なわれる中山競馬場の2500Mコースは、レースの展開に紛れが多いことを指摘する声もある。
特殊なコース形態によって生じるゲート枠順の差もあるし、僕が何よりも感じるのはレースのペース予想の難しさだ。
極端なスローペースになったり、ハイペースで大逃げを打った馬がアレヨアレヨとそのまま逃げ切ったり。
実際オグリキャップが勝ったレースもGⅠレースとは思えないスローペースで流れ、武豊騎手の折り合いをつける力が、往年の迫力のないオグリキャップの渾身の実力を引き出したように思える。
その他にも、長距離血統の代表格とも言われた実力馬のメジロマックイーンを短距離血統のダイユウサクが差し、大波乱を演出した。
まあ、そのレースは「(スティーブ)マックイーンを(松田)優作が負かした」なんて語呂合わせも出たり。
2001年のアメリカ同時多発テロの時は、マンハッタンカフェとアメリカンボスで決まり万馬券。
これは新聞で事前に予想したタレントさんもいたものだから、「今年のテーマは何だ?」という推理のような目線で馬券を買って楽しむファンも少なくないことだろう。
そう、つまり馬券とは結果主義の「勝つか負けるか」なのだから、理由はともあれ、当たれば勝者なのだ。
各々が各々の信念で楽しむ。
基本はそこだろうと思う。

僕の有馬記念に臨む基本的な姿勢は、「誰が、どの馬が軸となって展開するか」だ。
有馬記念に限ったことではないが、近年の日本の競馬ではスローペースになって瞬発力勝負になることが多いと思う。
「見せる競馬」としては、直線でスパッと馬が伸びてくる様は見た目もいいのは事実だろう。
ただ、直線に向くまでの駆け引きみたいなドキドキ感はというと、少ないように思える。
直線までは団子状態でお行儀良く進み、最終コーナー手前からレースが始まるような、直線だけの競馬が多くなっていると感じている。
でもこの有馬記念はこの展開にムラが多いので自分の展開予想の基軸を決めることから入るのだ。

では最近多い「切れ味勝負」になった場合は、今年の出走馬ではどの馬が該当するのだろうか。
実は近走で凄い切れ味の脚力を披露した馬がいる。
3歳牝馬のブエナビスタだ。
エリザベス女王杯では到底届かないと思われた展開と位置取りで最後の3ハロン(600メートル)32秒台で走ったのだ。
まさに切れる脚がセールスポイント。
しかし、それだけの走りを見せたのだから、疲労も残ると見る向きはあり、果たして同じ走りができるかどうか。
3歳牝馬が勝てば49年ぶりだそうだが「○年ぶり」という表現は、この進化している日本競馬ではアッサリ塗り替えられてもおかしくないので、気にしないとして、実はブエナビスタは「スローペースの『ヨーイ、ドン』」には向かないのではないかと。
これまでに好走したレースも初めの3ハロンのペースはスローよりもミドル。
オグリキャップが勝った時のようなスローペースになったりしたら、意外と不発だったりするのかもしれない。
逆にスローペースで切れる脚の馬は・・・となると台頭するのはドリームジャーニーだ。
小回りコースのスローペースならこの馬は堅実に33秒台の末脚を披露してきている。

この切れ味勝負の2頭のように、これまでに33秒台の脚で勝った馬はいるのか、過去を振り返ると20年で2頭いた。
ディープインパクトとマンハッタンカフェという、現在は種牡馬で活躍する2頭だが、実はそれ以外の18年は、どちらかというと上がりタイムのかかる展開になっている。
実力が抜けた馬でないと、有馬記念を切れる脚で差して勝つのは難しいのかもしれない。
そうなると今年は実力伯仲だけに、波乱がおきてもおかしくない。
有馬記念で逃げや先行する馬に実力馬がいた時は、スローペースにもなりづらく、且つ息の入らない厳しい流れになることもあり、上がりタイムもそれなりにかかることが多いのだ。
今回、ペースを予想する上でのキーマンは武豊騎手だろう。彼の騎乗する逃げ馬、
リーチザクラウンに対して追い込み側の騎手がどのタイミングで仕掛けるのか。
池添、横山、ルメール騎手の追込み陣がどう動くか。
結局、有馬記念の予想は毎年悩んでしまう。ペース展開ばかりは天候や馬場状態など複数の要素が重なるので、競馬評論家たちの読みも外すことが多いと思います。
だから専門家の予想印なんて気にしないで、グランプリは各々が楽しめば良いのではないでしょうか。
「黒人初のアメリカ大統領だから2枠」でも「いやいや、時代はエコ。3枠の2頭の頭文字が『エコ』になってるし!」でもいいんです。
とにかく楽しんで「まあ、良い年だったよね」と言えればね。

結局、僕はまだ今年の締めくくりに期待する馬を決めていないけど、まさに「YOU CHOOSE」の主旨どおり、『あなたはどの馬を選びますか?』 そしてHAPPYな年末を。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

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私の所属する部署では、毎月課題図書を配付しています。
 2010年1月4日の事業開発本部 全体会議で取り上げるのが本書です。

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアの広告費減少のニュースはくり返し報道され、やや驚きも薄れています。
 屋外広告や、プロモーションもよくないようです。
インタラクティブ広告はやや増えていますが、広告費全体のパイ減少を補う勢いはなし。
 
とはいえ、生活者に商品・サービスを提供するために、企業がコミュニケーションをやめるわけではありません。
 
統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)は、企業のあらゆるコミュニケーション活動を戦略統合するものですが、
マスメディアを中心に「広告出稿し続けるだけ」のことも多かったようです.
 かつては、「CMやめたら売れなくなりますよ」というような脅し文句を、広告会社が言ったとか言わないとか。
 
日本コカ・コーラは自社サイト「コカ・コーラ パーク」をメディア主軸に、IMCを展開いています。
 
コカ・コーラパークの会員は740万人(2009年9月)もいて、
生活者を自社メディアへ誘導と会員化、直接の継続コミュニケーションを行っています。
 
生活者をファン化して、ストック、関係を深めることが目的なので、
集客は必ずしも広告出稿である必要はなく、近いターゲットを有するメーカーとも協働。
 
日産自動車「CUBE」のサイトと相互に会員登録してもらい、
個人情報利用許諾をクリアにしたコミュニケーションを展開していますし、「メディア」なので、ふつうに他社広告を掲載しています。

このような企業は単純なメディア出稿はあまり行わなくなるでしょうし、広告主間での協働プロモーションは拡大していくでしょう。

メディアや広告会社は、広告配信技術の導入や効果分析、
アイデアの意味ではないクリエイティブな提案なしには生き残っていけないと思います。

その点、211ページもある本書に広告メディアのことはでてきても、ほとんど広告会社が登場しないことは気になります。
 
 
最後に、本部メンバーに出した課題をご紹介します。
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■課題「コカ・コーラパークが挑戦するエコシステム・マーケティング」を読んだうえで、各140文字以内で述べよ。
 
課題1:大規模会員を持つナショナルクライアントが自社サイトをメディア化することでの、彼らのメリットを3つあげよ
 
課題2:課題1のサイトがもつメリットにより、既存のインターネット広告メディアが迫られる変化とは何か?
 
課題3:課題1のサイトの出現によって、広告会社が迫られる変化とは何か?

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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