Archive for 7 月, 2009

トムクルーズが自作自演した映画「ミッション:インポッシブル(Mission:Impossible)」。これは1960年代にアメリカで放映されていたテレビドラマ「スパイ大作戦(原題は同じく”Mission:Impossible”)」の映画化であることは、ご存知の方も多いと思います。

アメリカの極秘スパイ組織IMF(Impossible Mission Force)…つまり、不可能な使命を帯びたプロたちがそれを成し遂げるという筋の、ある意味では「24」の原型みたいなドラマが元ネタだったんですね。

1988年ごろだったと思います。当時とある人材系広告会社に勤めていた自分が担当していた企業に「新日経」というアルミ材のメーカーさんがありました。
今思えばバブル絶頂期のころ、就職を控えた学生に「新日軽をよろしく」という告知をすべく豪華なパンフレットを企画せよという命が下り、さんざん悩んだ末、「不可能な使命に挑戦する会社・新日軽!」というテーマで一冊作っちまえ!という結論に。

タイトルはこれです。「不可能を可能にする会社−新日軽を考える!」

ただ企業の情報ばかり載せても学生の興味を惹くことはできません。
巻頭で学生にも人気のある有名人に登場してもらい、何かを印象づけなければ。
そこで「そうだ、あの”スパイ大作戦”をネタに、不可能を可能にするという企業イメージを上手に引きずり出そう」…
白羽の矢は、すでに当時昭和のB級ものなどを扱うコラムニストとして人気を博していた泉麻人さんに。

代官山にあるマンションの一室、多忙を極めていた泉さんへのインタビューが実現しました。

さすが泉さん、「B4判見開き」という制作側からすると太平洋の数十倍も広い面積を埋め尽くすだけの話題をふんだんに語ってもらい、学生の目を引く魅力的なページを作ることができました。(”スパイ大作戦”については自分のほうが詳しかった、というのが複雑な心境でしたが)

3万部ほど印刷し、大学生に配布し終わって3ヶ月ほどしたある日、ご依頼主である新日軽の人事担当者から電話がありました。
「あのね、今さらなんですけど、前に作ってもらったあれ、表紙のタイトルが”不可能を可能にする会社−新日<鉄>を考える!”になってたんですけど」

受け取った学生のひとりが電話で教えてくれたそうです。

はあ???

なわけねえだろ、あわてて引き出しから取り出した見本誌を眺めること数十秒…タイトルには超デカい字で「新日<鉄>を考える!」−−−

このような間違い、普通はしませんね。不可能です。

「あまりにもデカい字で自信満々に書かれると、誰も疑わないのでしょう。”灯台下暗し”ですよ。」
本来怒鳴り込まれても不思議でないご依頼主から、慰めの言葉すらもらったりして。

…その年、新日軽は空前の新卒採用「大成功」を収めました。

Mission:Impossible … 泉麻人さん、あなたのおかげです。

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Showken Hirasaka
Camelstudio Co., Ltd.

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才能とは何だ?
漫画家なんかをやってるとこの問題は常に考えてしまう。

確か「ブスとバカは東大に入れ」という漫画があったけど、これは「才能」というものは生まれながらにして「ある、なし」が決まっているという現実主義からきた言葉だろう。誰にでも才能があるわけじゃないなら東大にでも入るしかない、というわけだ。
本宮ひろし氏もビートたけし氏も「この世界に才能のないやつが入ってきたら悲惨だ」と言っていた。
「この世界」とは漫画業界や芸能界のことを言っているのだけど、僕はすべての世界に当てはまると思う。

たとえば箸1つ作るにもアイデアや工夫、才能は必要だし、「ラーメン屋さん」でも「ユニクロのレジ」でも才能は必要なのだ。
マニュアル通りにやってれば大丈夫だといわれても、ラーメン屋の才能、レジ担当の才能、というのがあって、自分の持っている才能が有効に使える仕事に付くことはかなり大切だと思う。

そして最も物を言う才能が「独創性」という才能だ。

独創性、独自性のある人には必ず仕事がある。社会から必要とされるため充実感もある。
では、この独創性というものは、限られた人にしかないのだろうか?

僕にはそうは思えない。

独創性という才能は、人と違う部分に生じる。

それは空気を乱し、迷惑で、非生産的なものかもしれない。
そんな「人とは違う感覚」をこの国の人は「無いもの」としようとする傾向が強い。
そんなものは「群れの中」では迷惑だからだ。
ところが、そんな「迷惑な感覚」の中にこそ独自性はある。
エジソンも黒柳徹子も学校を追い出された問題児だった。
本宮ひろしもたけしも社会の中で「ろくでなし」お言われてきた人だ。

そうなると不登校児やいじめられっこ、社会不適合者の中にこそ未来を救う才能の持ち主がいるのではないか?
もしくは、無理に社会に合わせて自分を殺してきた人の中にある「違和感」にこそ突破口があるのではないか?

この仮説は僕の5年に及ぶ取材の中で正しいことが証明されたと思っている。

「非属の才能」はそんな僕の研究テーマの集大成です。
これは「I choose」です。

ちなみに、この夏僕の新書の新作も出ます。
タイトルは「キラー・クエスチョン」
これは「人付き合いの特効薬」になる本ですのでこちらもよろしくお願いします。光文社新書 8月17日発売です。

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REIJI YAMADA/山田玲司
漫画家 環境問題活動家

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まだ、「失敗の本質」で書くべきことがありますが、ネットマーケティングのことも。

本書の主旨は、

ネットのマーケティング、広告では、自動最適化して効率をあげる新サービスを、ベンチャーがどんどん提供していく。

一社がすべてを支配することはないから、「悪の帝国=マイクロソフト」のような構造もない。
マイクロソフトみたいな大きな企業はインフラっぽいことしかできないから、ベンチャーが提供する新しいサービス、産業をのせていくしかないよね、ということ。

初版2008年10月6日なので、変化が早いネットの世界では古くなったこともあります。

ネット広告の効果分企業のトップランナーであるOMNITUREは、「まだまだ製品をよくする段階」とインタビューに答えていましたが、09年1月末にWPPグループと資本提携しました。

しかし、そんなことは、本書の価値をさげません。

「広告の周縁が終焉を加速する」は本の帯。
年をとっても、ダジャレだけは言うまいと誓っているのですが、本質を突いています。

新しい「周縁」のマーケティング・サービスとして、クラウド・サービスのお手本「salesforce.com」、全世界のモバイルADネットワーク「admob」などが紹介されていきます。
チョイスもよいし、インタビューもツボするどく、おもしろいです。

しかし、本当に読むべきは「Chapter1 広告からテクノロジーへ」。
急速な技術革新に見舞われた業界に通じる法則がある、という分析。

1)変化は周縁から起こる
2)過渡期には、新旧のサービスの併存する
3)旧サービスは、新サービスの欠点をあげつらうが、どんどん形成は逆転する
4)周縁部分は急速に拡大し、コア部分(旧のこと)はゆっくりと縮小する

4マス広告、ネット広告の新旧プレーヤー間で今起きている「グランズウェル(大きな波)」が、整理して理解できます。前著「次世代広告テクノロジー」とあわせて読むと、より構造的に理解が進むと思います。

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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