Archive for the ‘Horse Rasing / 競馬’ Category

kozokizu_09

以前、有馬記念の時に「競馬ファンにとっての年末は日本ダービー・・・」と書いた。
いよいよ、2009年度の年度末がやってきたとも言うべきだろうか。
日本ダービー(東京優駿)は一生に一度しかチャンスの無いレースであるが、
スポーツでいうところの「新人王(タイトル)」とはちょっと違う。サラブレッドの現役活動期間は
人間と比べても当然短く、だいたい4-5年で、長くても7-8年。
デビューから1年で迎えるこのレースは単なる新人王ではなく、引退後の種牡馬生活を
約束されるレースと言っても過言ではない。すなわち、このタイトルを取れば、今後はそれほど
無理をしなくても一定の付加価値を得ることができるからだ。牡馬にとって、レースの賞金も戦利品だが、
実は引退後がメインと言っても過言ではない。なぜなら、競馬はブラッドスポーツであり、
強い馬を造り続けることを追い求めるために存在するからだ。よって「強い馬の血」は多くの生産者に
買われ、新しい馬を造り、系譜となっていく。そこに発生するマネーは現役時代に稼ぐ賞金と価値は
比較にならないほど大きいのだ。そのロマンが競馬を成立させているとも言える。

これも以前に触れたが、トウカイテイオーという貴公子はダービー馬の祖父、父を持つサラブレッドの
中のサラブレッドとも表現できる。僕はそのトウカイテイオーの産駒(か血脈)がダービーを勝つことを
願っている一人だが、そうそう簡単に獲得できるものではなく、生産者の方々の努力は、部外者が
軽々と表現できるものでもないだろう。ただ、最近のレース番組は多様化していて、ダービー以外のレースの
価値も上がっているしが、総じてスピード重視の兆候なのだ。このダービーも2400メートルという長距離だが、
近年は「スタミナ合戦」にはなりづらく、馬場悪化でもない限りは【直線の切れ味】がモノを言う傾向にある。

そして今年はその「切れる脚を持つ馬」が出現した。それは恐らく1番人気であろう、ヴィクトワールピサ。
皐月賞こそ2倍台だったが、デビューから単勝オッズ1倍台の断然人気に支持され、結果を出してきた。
中距離のレースを選択し、ダービー馬を多く排出する弥生賞も圧勝で制した実力は、メンバーの揃った
皐月賞でも同じだったが、強い!の一言。私は彼をトウカイテイオーと重ねて見てしまうのだ。
何故なら、トウカイテイオーもダービーを見るまで、
「本気を出したらどこまで強いか分からない」というミステリアスな魅力を持つ馬だったが、
彼もそんな伸びシロを感じてしまうのだ。
新馬戦を取りこぼして、必勝を期した未勝利戦こそ圧勝したが、
その後は「僅差」の勝ち方。でも、である。私には本気で走っているように見えないのだ。
騎手も大舞台を見据えてか、これまで本気で馬を追ってないように見え、
皐月賞トライアルの弥生賞もゴール前でチョコッと追っただけ、それでキッチリ勝つ。
なんと効率的で勝負強いのか。要はCOOLな奴なのだ。
そんなヴィクトワールピサが、アクセル全開で真剣に走ったらどれだけ凄いのかと考えると、ゾクゾクする。
そう、1991年のダービーの前に感じていた、あの感覚に近い興奮度なのだ。

ただ、不安要素もある。これもトウカイテイオーと同じだが、これまで右回りしか走っていないこと。
初めての左回り、長い直線の坂道をトップスピードで走った時にアクシデントが起こらないかということ。
切れる脚を持つ馬は、能力が故に、ガラスの脚に負担をかけてしまうものだ。
テイオーはダービーで骨折し、3冠の夢は断たれた。
ヴィクトワールピサには、そんなアクシデントが無いことを祈るが、それくらい、私は彼が全開で走る姿に期待している。
また彼の母、ホワイトウォータアフェアは期待度の高い牝馬で、
日本に輸入された時にお腹にいた仔(アサクサデンエン)はGⅠを制覇したものの、
日本での生産馬はGⅠタイトルを獲れていなかったが生産牧場の社台ファームは大種牡馬
サンデーサイレンスを配合し続け、サンデー亡き後も、サンデー産駒の種牡馬を配合し続け、
見事にネオユニヴァース産駒の彼がGⅠ皐月賞のタイトルを獲ったことは、関係者も悲願達成であったに違いない。

長くなるので説明は省くとして、POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)という、競馬ファンの多くが楽しむものがあるが、実は私はずっとホワイトウォーターアフェアの産駒を指名してきたが、この2-3年はリストから外していた・・・。
そして今年はヴィクトワールピサのオーナーである、市川義美氏の所有馬からスーパーホースが出るのでは、
と予想し、ピサノユリシーズを指名したのだった・・・。
その引きの弱さったら・・・。そんな悔しさも込めて、今年のダービーは私は彼を応援しようと思う。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

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kozokizu_071

そろそろ2009年も終わろうとしている。
実は競馬で1年の締めくくりは、12月ではなく日本ダービー(6月)と表現されることも多い。
なぜならこの種牡馬検定競走とされる日本ダービーは3歳馬たちが凌ぎを削り、10,000頭近くの中から1頭だけが頂点に立てる、一生で一度しか出られないレースだからだ。

そんな観点もあるが、やはりカレンダーでいけば師走が一年の締めくくりであることに間違いは無い。
そして競馬では「グランプリ」と称されるレースがある。
それが有馬記念だ。
もともと「中山グランプリ」という名前だったこのレースは、出走馬が人気投票の要素も踏まえて決められる。
この辺は日本の師走名物の紅白歌合戦的な発想だなぁ・・・と国民性を感じるが、それはさておき、これまでに多くのドラマを生み出しているレースでもある。
1987年、ダービーを圧勝したメリーナイスがスタート直後に落馬、菊花賞を勝ったサクラスターオーが故障発生という共倒れによって、メジロデュレンとユーワジェームスが1、2着し、馬券の種類が少なかった当時としては珍しいGⅠレース万馬券となる。
おまけにその2頭は4枠に並んで入っていて、頭文字を横に読むと「ユメ(夢)」となっていたことから、「ユメの万馬券」として長らく語り継がれることとなった。
1990年、全盛期の勢いの無いオグリキャップが、ジャパンカップでも惨敗してそのまま引退すべきなどの意見も出る中で、スタージョッキー武豊を背に引退レースに有馬記念を選び、見事に勝利を収めて「奇跡のラストラン」と言われた。
僕にとっては、イナリワンや前にも書いたトウカイテイオーなど、それまで低迷していた馬が「復活」するような、「感動ものレース」としてイメージ付いている。

この有馬記念の行なわれる中山競馬場の2500Mコースは、レースの展開に紛れが多いことを指摘する声もある。
特殊なコース形態によって生じるゲート枠順の差もあるし、僕が何よりも感じるのはレースのペース予想の難しさだ。
極端なスローペースになったり、ハイペースで大逃げを打った馬がアレヨアレヨとそのまま逃げ切ったり。
実際オグリキャップが勝ったレースもGⅠレースとは思えないスローペースで流れ、武豊騎手の折り合いをつける力が、往年の迫力のないオグリキャップの渾身の実力を引き出したように思える。
その他にも、長距離血統の代表格とも言われた実力馬のメジロマックイーンを短距離血統のダイユウサクが差し、大波乱を演出した。
まあ、そのレースは「(スティーブ)マックイーンを(松田)優作が負かした」なんて語呂合わせも出たり。
2001年のアメリカ同時多発テロの時は、マンハッタンカフェとアメリカンボスで決まり万馬券。
これは新聞で事前に予想したタレントさんもいたものだから、「今年のテーマは何だ?」という推理のような目線で馬券を買って楽しむファンも少なくないことだろう。
そう、つまり馬券とは結果主義の「勝つか負けるか」なのだから、理由はともあれ、当たれば勝者なのだ。
各々が各々の信念で楽しむ。
基本はそこだろうと思う。

僕の有馬記念に臨む基本的な姿勢は、「誰が、どの馬が軸となって展開するか」だ。
有馬記念に限ったことではないが、近年の日本の競馬ではスローペースになって瞬発力勝負になることが多いと思う。
「見せる競馬」としては、直線でスパッと馬が伸びてくる様は見た目もいいのは事実だろう。
ただ、直線に向くまでの駆け引きみたいなドキドキ感はというと、少ないように思える。
直線までは団子状態でお行儀良く進み、最終コーナー手前からレースが始まるような、直線だけの競馬が多くなっていると感じている。
でもこの有馬記念はこの展開にムラが多いので自分の展開予想の基軸を決めることから入るのだ。

では最近多い「切れ味勝負」になった場合は、今年の出走馬ではどの馬が該当するのだろうか。
実は近走で凄い切れ味の脚力を披露した馬がいる。
3歳牝馬のブエナビスタだ。
エリザベス女王杯では到底届かないと思われた展開と位置取りで最後の3ハロン(600メートル)32秒台で走ったのだ。
まさに切れる脚がセールスポイント。
しかし、それだけの走りを見せたのだから、疲労も残ると見る向きはあり、果たして同じ走りができるかどうか。
3歳牝馬が勝てば49年ぶりだそうだが「○年ぶり」という表現は、この進化している日本競馬ではアッサリ塗り替えられてもおかしくないので、気にしないとして、実はブエナビスタは「スローペースの『ヨーイ、ドン』」には向かないのではないかと。
これまでに好走したレースも初めの3ハロンのペースはスローよりもミドル。
オグリキャップが勝った時のようなスローペースになったりしたら、意外と不発だったりするのかもしれない。
逆にスローペースで切れる脚の馬は・・・となると台頭するのはドリームジャーニーだ。
小回りコースのスローペースならこの馬は堅実に33秒台の末脚を披露してきている。

この切れ味勝負の2頭のように、これまでに33秒台の脚で勝った馬はいるのか、過去を振り返ると20年で2頭いた。
ディープインパクトとマンハッタンカフェという、現在は種牡馬で活躍する2頭だが、実はそれ以外の18年は、どちらかというと上がりタイムのかかる展開になっている。
実力が抜けた馬でないと、有馬記念を切れる脚で差して勝つのは難しいのかもしれない。
そうなると今年は実力伯仲だけに、波乱がおきてもおかしくない。
有馬記念で逃げや先行する馬に実力馬がいた時は、スローペースにもなりづらく、且つ息の入らない厳しい流れになることもあり、上がりタイムもそれなりにかかることが多いのだ。
今回、ペースを予想する上でのキーマンは武豊騎手だろう。彼の騎乗する逃げ馬、
リーチザクラウンに対して追い込み側の騎手がどのタイミングで仕掛けるのか。
池添、横山、ルメール騎手の追込み陣がどう動くか。
結局、有馬記念の予想は毎年悩んでしまう。ペース展開ばかりは天候や馬場状態など複数の要素が重なるので、競馬評論家たちの読みも外すことが多いと思います。
だから専門家の予想印なんて気にしないで、グランプリは各々が楽しめば良いのではないでしょうか。
「黒人初のアメリカ大統領だから2枠」でも「いやいや、時代はエコ。3枠の2頭の頭文字が『エコ』になってるし!」でもいいんです。
とにかく楽しんで「まあ、良い年だったよね」と言えればね。

結局、僕はまだ今年の締めくくりに期待する馬を決めていないけど、まさに「YOU CHOOSE」の主旨どおり、『あなたはどの馬を選びますか?』 そしてHAPPYな年末を。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

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競馬を愛するものならば、
必ず1頭は「この馬!」というサラブレッドがいるはず。
僕を夢中にさせてくれた名馬のコト。

トウカイテイオー。
父は昭和の皇帝シンボリルドルフ。
その圧倒的強さと狂気は人々を魅了した。
「皇帝」の息子の「帝王」、トウカイテイオーが登場する少し前は、
バブル経済と共にオグリキャップが競馬ブームを牽引していた。
そのオグリキャップが引退を決めた1990年12月、
トウカイテイオーはデビューした。
まさしく、競馬ファン(競馬関係者もだろう)が求めていた
「次のスターホース」の第一歩だった。

どの世界でも、スターになるものは「何かが違う」と人々に感じさせるものだと思う。
まずトウカイテイオーが人々を惹きつけたのは容姿であった。
ちょっと古い表現だが、巨人の星の花形満のようなヒラリとなびく前髪。
僕が競走馬で「かっこいい髪型だなぁ」と感じたのはトウカイテイオーと、
1993年のジャパンカップに登場してパーマをかけていた?コタシャーンの2頭だけだ。
そしてもうひとつは体つき。そのコタシャーンとの比較が顕著な例だが、
コタシャーンは筋肉隆々の超マッチョ。
90年代以後は日本でも欧米血統の流入によるサラブレッドの大型化が進んだが、
トウカイテイオーの現役時代は460キロから470キロほどの中肉中背な、しなやかな体つきで、
全体を大きく使ったストライド(走法)で走る「美しく見せる馬」だった。
僕はそのルックスの虜になった。

今思えば、その強さを信じる気持ちに僕自身がイレコミ気味
(=競馬用語で気合が乗りすぎの意)だったのかもしれない。
しかしそれはこちらも若いゆえ、仕方のないことだった。
彼がデビューから3戦目を迎えた若駒ステークスを勝利した時、
「今年のダービーはテイオーと心中だ」と心に決めた。
そこから3ヶ月、肉体労働系のアルバイトをして40万円を貯金した。
僕や周囲の期待どおりに、彼はその後の2戦も順当に勝利した。
牡馬クラシック3冠の第一弾の皐月賞も1番人気に応えて快勝する。
そして1991年5月26日、第58回日本ダービー当日、
トウカイテイオーは単勝オッズ1.6倍の圧倒的人気に支持されていた。
後楽園WINSの窓口で枠連(当時は馬連や馬単など無かった)
5-8を33万円、6-8を7万円買った。
なぜ本線に33万円なのかというと、当時の僕にはささやかな夢があったのだ。
まだ経験したことのなかった「帯つきの払戻し」を実現する為だ。
すなわち、100万円の束を払戻しでいただくということだ。
5-8のオッズから「33万円買っておけば配当は100万円以上だな」と考えて買ったのだ。

そしてレースを見たのだが、その時のことを思い出そうとしても思い出せない。
思い出せるのは、東京競馬場の直線で先頭に立ったトウカイテイオーの姿に釘付けの自分だけなのだ。
何だかんだ言ってもビビッっていたのだろう。まあ身分的には小銭では無かったのだし。
結果は、1着トウカイテイオー、2着レオダーバン。
枠連5-8 払戻350円で「帯つきの払戻し」の夢は叶った。
そしてこのささやかな夢は若造の僕の自信になり、もうひとつの夢を叶えてくれた。
この馬券のコピーとレポートを持って、
知り合いのつてで競馬雑誌の編集者に自分を売り込み、ラッキーなことに、
そこから念願であった競馬ライターの仕事の第一歩が始まったのだ。
後に、今は亡き競馬予想の大御所にも取材でお会いし、この勝負のことを話したのだが、
「私は小額馬券しか買わない。そんなことをしていると身を滅ぼすよ。」と言われ、
心の中で幻滅したのを覚えている。
『あなたはあたかも大勝負をしているイメージを世に伝えているのに』と。
そして、このことが虚像と真実の間にある広告への興味を持つきっかけになったのだから、
トウカイテイオーに出会ったことが、僕の人生の選択に大きな影響を与えてくれたということだろう。

現役時に3度の骨折を経験し、人気を落としても期待を裏切らない、
格好よくて頼もしい馬だった。
去る11月7日8日と、東京競馬場にトウカイテイオーが凱旋した。
残念ながら見に行けなかったが、彼は今も多くのファンに愛されている。
そして僕を含めた彼のファンは彼の産駒が3歳クラシックレースを制する日を待ち続けている。
もしも産駒から新星が登場したら、愛称は最近流行の「王子さま」だろうか。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

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