Archive for the ‘11.沖秀史(USEN)’ Category

そう来ましたか、平坂さん

アメリカン・バンドのイントロのバスドラは未だに難しいと感じる私です。。

しかしこの方を忘れてはいけません。
No.1ロックドラマー:デヴィッド・ガリバルディ
ベストアルバム:バック・トゥ・オークランド

「タタト、タタト、タカカン、カン!」
「何じゃ今の?右手と左手の数が勘定でけへん・・・」

と、思わず口から出たタワー・オブ・パワーのライヴ(@東京ビルボード)。

タワー・オブ・パワーのドラマーとして有名なデヴィッド・ガリバルディ。

彼らは当然ファンクという分類に入るのだろうが、ベイエリア出身の割には
コッテリしたとんこつ系の音に満ち溢れ、その割には時折、西海岸ならでは
の微妙に乾いた風情も持ち合わせるサウンド。そしてホーンセクションと
ファンクのビートの絡み合いが最高にカッコいいいバンドです。

このビートを支えるのがロッコ・プレセア(B)デヴィッド・ガリバルディ
(Dr.)。先日も来日した彼らを見に行きましたが、そ知らぬ顔して驚愕の
リズムを繰り出す二人の姿は鳥肌ものでございました。
この二人ってきっと音とリズムで会話ができる人達なんだろうなぁ。

ガリバルディが「カンカン」叩くのに合わせてベースが「ポポポポ」とか
いうてるんでっせ。このベースのポポポポフレーズは、指二本でいとも
簡単に弾いているようですが実際やってみるとこんな音出せませんでぇ。

さて、ガリバルディ先生ですが、この人きっと身長が高いと思いますが、
その身長に比べてドラムセットは非常にコンパクトなものとなっています。
しかも、タムとシンバルの角度の親和性や機能性などは全ドラマー必見の
セットとなっています。

音の特色としては、「カンっ!」という甲高い音。そしてご飯にちりばめらる
ふりかけのように随所で聴かれるゴーストノートとリニアフレーズ。
以前彼のシグネチャーモデルを試打したことがありますがブラスシェルで
サイズは14×3.5。普段6.5のスネアでサザンロックを叩いている私は
「こんな浅い胴で低音出んのか?」と疑っていましたが
その低音の鳴りと反応のよさ、バランスの良さに驚愕しました。
スナッピーの本数も大量。まさにガリバルディが得意とするリニアな
フレーズはこの音なくしては成立しないでしょう。
それに彼が愛して止まないファンクの伝統的センス
と相まって誰にもマネの出来ない個性を発揮しているのではないでしょうか?

偶数・奇数が混じり合ったビートを楽な顔して刻む男、デヴィッド・ガリバルディ。
そんなリニアでパラディドル的プレイはおっさんのハートを鷲掴みです。

整いました?平坂さん

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HIDESHI OKI/沖秀史
株式会社USEN 放送企画統括部長

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ボビコときましたか。。。

しかしやはりなんといってもNo.1ロックドラマーは「トッド・ラングレン」でしょう。。

No.1ロックドラマー:トッド・ラングレン
ベストアルバム:Something/Anything

No.1ドラマーは本職がドラマーであるとは限らない(笑)。

アマチュアとてドラマー稼業は辛いものです。
そうです。ドラマーやプレイ、楽器についてのウンチクがどんどん多くなってしまうのです。
あの人のセットはどうとか、あの人のプレイはどうとか。
しかも自分のことは棚にあげて。。
ついついドラマー本来のもつ良さなどを忘れがちになるのだろうか…。

私がウンチク王になろうとしていた時期に衝撃をうけたアルバムがトッド・ラングレンのこの名盤。
ドラムの本質に出会ったといっても過言ではない。
それが言わば「本職ではない人の叩くドラム」
この「本職ではない人の叩くドラム」というのは時として勉強になることが多い。

大学生の頃の私はかなりの宅録マニアで自分で全楽器を演奏し録音しそれを一人夜中に聴いてニンマリする、という根暗な人間でありました。

まずは、ドラムパートを当時はシーケンサーに打ち込んでいくのですが、ドラマーが打ち込むドラムパートはやはり本物志向になっており、実際に叩けるもの前提で打ち込むものです。
フィルインの際も1拍毎にハイハットを踏んでる音を打ち込むとか。。。(笑)。

しかし当時友人のギタリストが打ち込んだ曲のドラムパートを聴いて私は驚きの声を上げました。

「こんなん8本ぐらい手がないと叩かれへんやんけ!」
「こんなドラミングなんで出来るやつおらんぞ!」

しかし、それと同時に実際のドラムで再現できることだけを前提で打ち込んでいた自分は、なんと型にはまった人間なんだろう、とも思ってしまいました。

トッドのこのアルバムを聴くといつもこのことを思い出します。。

このアルバムの特徴はその楽曲のほとんどがトッド・ラングレンによるマルチレコーディングということ。
ヴォーカル、ギター、キーボードはもちろん当然ドラムパートもトッド自身が行っています。
このCDには1曲ごとにトッドがコメントしているライナーが入っているのですが、
「ドラムのパートはレヴォンからぬすんだのさ。。。」とか出てきます。
折しも前回紹介したリヴォン・ヘルムのことです。

聴けば聴くほどドラマーの常識をくつがえすようなフレーズに思わずニンマリしてしまいます。
「スネアが抜けていてもいいじゃないか、ハイハットを刻まなくてもいいじゃないか、
それが曲にあっているのが一番イカすドラミングなのさ!」とつぶやいているようです。

こういうもありですよね?平坂さん

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株式会社USEN 放送企画統括部長

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いえいえそうではありません。

NO.1ロックドラマー:リヴォン・ヘルム
ベストトラック:Up On Cripple Creek

ザ・バンドはアメリカの郷愁を感じさせるバンドである。
しかし、意外にもメンバーは4人のカナダ人と1人のアメリカ人で構成されている。
そしてその唯一のアメリカ人がリヴォン・ヘルムである。

ザ・バンドのメンバーは苦労人揃いで地味な活動が多かったが、
逆にその高く安定感のある演奏力を持つ彼らが
時折しもボブ・ディランがフォークギターをエレキギターに持ち替えたあたりから活動を共に始め、
結果ザ・バンドへの注目も集まっていったというのは有名な話。。

その音楽性はカントリー、ブルース、リズム&ブルース、フォークミュージックなど
いわゆるルーツ・ミュージックの要素が非常に高く、
そして華やかさとは距離を置いた孤高さを感じるバンドである。
故にルーツ・ミュージックを趣味で叩いている方々には非常に参考になること請け合いです。

さて、そのザ・バンドでリズムを支えてきたリヴォン・ヘルムのドラミングは
3点セットから生み出される素朴で泥臭いのが持ち味です。

・フィルイン後のクラッシュシンバルがないことが多い
・クラッシュシンバルをライド的に多用する

上記が彼のドラミングにおける特徴として挙げられる。

もうひとつの大きな特徴は、ザ・バンドのリードヴォーカリストである、ということ。
そう、彼は自分で叩き、歌う。
特にヴォーカルのシャウトにシンクロして入るフィルインなどは聴いているとぐっと胸が熱くなる。
一方で歌とまったく違う譜割りのリズムを普通に歌ながら難なく叩く。

一般にドラマーはヴォーカルを取らないことが多く、黙々と叩く職人気質の人が多いが、
逆に歌えるドラマーはヴォーカルのリズムや息継ぎなどと絡み合った、
歌わないドラマーとは一味違うフィーリングが生まれてくるのもこれまた真実だと思います。

さて、ドラマーにとって重要なのが叩いている姿。
レギュラーグリップで背中を丸めて叩くその姿は、まさにアメリカの郷愁そのもの。
しかし、それは過去に封印されたものではなく、
今なお、そして一生付き合える音楽へ出会えた嬉しさへと変わる。

ベストトラックの「Up On Cripple Creek」は彼らの2ndアルバムに収録されていますが
今回は敢えて彼らのラストライブのDVDで見ていただくことをオススメします。
(若き日のマーティン・スコセッシが手がけたこのステージは彼のザ・バンドに対する熱き感情が感じられます。)

またドラミングに加え、時にはマンドリンを手にした映像などもあり
彼の他の才能を垣間見ることもできます。

やっぱリヴォン・ヘルムですよね?平坂さん

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