Archive for the ‘Marketing / マーケティング’ Category

キーオ氏が「事業で勝利する方法」で講演を求められて「できない」と断り、
「かなりの確率で負けることなら保証できる」という内容をまとめた本。

キーオ氏はコカ・コーラを全世界で成長させたが、
「ニュー・コーク」発売という大失敗もしただけに、言葉に説得力があります。

年長者の自慢話と繰り言を聴きたくなくても、ぎっしりとした経験と知恵は是非知りたいもの。

10の法則といいつつ、おまけがついて、11の法則があります。

なかでも、「法則8 官僚組織を愛する」はかなり怒りに近いトーンで書かれており、
「会社の前進をすべて止めたいのであれば、事務手続きを何よりも優先すればいい」
「わたしはいつも高給取りの掃除夫を自認」
「わたしの仕事はいつも廊下をきれいにしておき、
とくに優秀な従業員が仕事ができるようにすることだ」
という言葉には共感します。

「ひとりにマネージャーの肩書きを与える。一年半もすると、アシスタントがつく。
アシスタントはすぐにジュニア・マネージャーになる。
すると何が起きるか?その下にアシスタントがついて、この課程がくり返されていく。」には爆笑。
家畜が増えるように、官僚組織が増えていく、とまで言って、かなり頭にきています。

「法則10 将来を恐れる」では、
「事業を指導する立場に立ちたいと考えているのであれば、合理的な楽観主義者でなければならない」と諭しています。
これって、あらゆる悲観ケースを検討して、
それに勝てる戦略と戦術があるから、びくびくしなくて良いということだと思います。

戒めの書として、読み返したい本。

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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私の所属する部署では、毎月課題図書を配付しています。
 2010年1月4日の事業開発本部 全体会議で取り上げるのが本書です。

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアの広告費減少のニュースはくり返し報道され、やや驚きも薄れています。
 屋外広告や、プロモーションもよくないようです。
インタラクティブ広告はやや増えていますが、広告費全体のパイ減少を補う勢いはなし。
 
とはいえ、生活者に商品・サービスを提供するために、企業がコミュニケーションをやめるわけではありません。
 
統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)は、企業のあらゆるコミュニケーション活動を戦略統合するものですが、
マスメディアを中心に「広告出稿し続けるだけ」のことも多かったようです.
 かつては、「CMやめたら売れなくなりますよ」というような脅し文句を、広告会社が言ったとか言わないとか。
 
日本コカ・コーラは自社サイト「コカ・コーラ パーク」をメディア主軸に、IMCを展開いています。
 
コカ・コーラパークの会員は740万人(2009年9月)もいて、
生活者を自社メディアへ誘導と会員化、直接の継続コミュニケーションを行っています。
 
生活者をファン化して、ストック、関係を深めることが目的なので、
集客は必ずしも広告出稿である必要はなく、近いターゲットを有するメーカーとも協働。
 
日産自動車「CUBE」のサイトと相互に会員登録してもらい、
個人情報利用許諾をクリアにしたコミュニケーションを展開していますし、「メディア」なので、ふつうに他社広告を掲載しています。

このような企業は単純なメディア出稿はあまり行わなくなるでしょうし、広告主間での協働プロモーションは拡大していくでしょう。

メディアや広告会社は、広告配信技術の導入や効果分析、
アイデアの意味ではないクリエイティブな提案なしには生き残っていけないと思います。

その点、211ページもある本書に広告メディアのことはでてきても、ほとんど広告会社が登場しないことは気になります。
 
 
最後に、本部メンバーに出した課題をご紹介します。
———
■課題「コカ・コーラパークが挑戦するエコシステム・マーケティング」を読んだうえで、各140文字以内で述べよ。
 
課題1:大規模会員を持つナショナルクライアントが自社サイトをメディア化することでの、彼らのメリットを3つあげよ
 
課題2:課題1のサイトがもつメリットにより、既存のインターネット広告メディアが迫られる変化とは何か?
 
課題3:課題1のサイトの出現によって、広告会社が迫られる変化とは何か?

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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★徴章(記章 きしょう)は「身分・資格・所属団体などを表すために、衣服・帽子などにつけるしるし。バッジ。」
   〜大辞林 第二版

徽章について、アメリカ海兵隊と日本陸軍の話を。

海兵隊の新兵教育は「every marine, a rifleman」の方針のもと、全員が職種を問わずにライフルマンとして育成されます。
哲学は「one shoto,one kill」。一発必中のライフル射撃は、海兵隊のコア・スキル。

フルオートで連射可能なM16ライフルが配備されたとき、
海兵隊は「単発」「3点発射」のみに改造したM16A2を制式採用したことは有名。
徹底しています。

全員が海兵隊、ライフルマンというわけで、
海兵隊の制服には官位を表すものはあっても、パイロット、歩兵などの職種を表す徴章はありません。

特定任務を得たライフルマンが戦車を動かし、大砲を撃ち、飛行機を操縦しているのが海兵隊。
軍のなかで海兵隊飛行士だけが、任務志願前2年間、陸上士官勤務が義務づけられているのは象徴。
徹底しています。

日本軍ではどうか?

陸軍大学出参謀はエリート意識が強烈で、指揮官を指揮する矛盾が生じました。
卒業生は、天保期の百文銭に似た、菊と星をかたどった徽章を与えられ、「天保銭組」と呼ばれましたが、
陸大出以外を「無天」と呼び、位を超えて侮蔑したため、1936年には着用禁止に。

嫌みな上司の下では、誰もね…。

インテリジェンス小説「ダブル・ジョーカー」には「天保銭組」を強烈に皮肉った一話があります。
陸軍中野学校を下敷きにしたインテリジェンス「D機関」と、創設者結城中佐の苛烈な駆け引き。
チャンドラーの影響を大きく受けたという著者の、乾いた文体のオムニバス。
ミステリ小説ファンにオススメ。

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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